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03 ・ システム開発

在庫管理システム開発の費用は80万〜800万円|決まる4つの要素

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

青い作図線が引かれた製図用紙の上に、真鍮のコンパスが立っている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

在庫管理システムの開発費用は、当社の代表的な12件(在庫管理に限らない業務システム)で80万〜800万円でした。

対象読者この記事は、Excelや紙で在庫を管理していて、システムの外注を考えている従業員10〜100名の会社の経営者・事業責任者向けです

※ 2026年11月時点の情報です

システム開発の記事の全体は、システム開発の記事の一覧にまとめています。

このページの内容10 章
  1. 01在庫管理システム開発の費用は何で決まるのか
  2. 02費用と期間の目安は当社の実績でどのくらいか
  3. 03拠点と連携先が増えると何が変わるのか
  4. 04既製のSaaSと作るシステムはどう選ぶのか
  5. 05見積りで比べるときに見る点は何か
  6. 06作る前に知っておく注意点: 在庫管理システムでやってはいけないこと
  7. 07税と会計の扱いは予算にどう関わるのか
  8. 08相談の前にそろえる情報と、今日できる一歩
  9. 09よくある質問
  10. 10まとめ: 在庫管理システムの費用は4つを決めてから見る

金額の幅は、管理する拠点の数・連携する相手・帳票の量・保守の範囲の4つでほぼ決まります。この記事では、4つの要素の見方と、見積りを頼む前にそろえる情報を説明します。

※ 費用と期間は、当社の2022年〜2026年9月の案件の実績です。

在庫管理システム開発の費用は何で決まるのか

在庫管理システムの費用は、拠点・連携・帳票・保守の4つの要素の組み合わせで決まります。「在庫を数える」という機能そのものは、どの会社でもほぼ同じです。

在庫管理システムとは、商品や部品の入庫・出庫・保管場所・残数を記録し、いつでも現在の在庫を確かめられるようにする仕組みです。

費用の中心は人件費です。1人が1か月働く量を「人月」と数え、人月に単価を掛けます。たとえば2人で3か月かかる作業は、6人月です。

在庫管理システムの費用を拠点・連携・帳票・保守の4つに分けた図

4つの要素が、それぞれ何を増やすのかを表にまとめます。

要素 増えると何が増えるか 見積りで確かめること
拠点 画面と権限、在庫の持ち方 拠点の数と、拠点間の移動の有無
連携 つなぐ作業と試験 受発注・会計・バーコードの有無
帳票 出力の画面と調整 棚卸表・出荷指示書などの種類
保守 毎月の契約費用 障害の対応と改修の範囲

1拠点だけで連携も少ないなら、費用は小さく収まります。反対に、複数拠点で受発注や会計とつなぐと、金額は大きい側へ寄ります。

費用と期間の目安は当社の実績でどのくらいか

当社の代表的な12件では、業務システムの費用は80万〜800万円、中央値は約220万円でした。開発期間は1.5か月〜8か月で、中央値は4か月です(2022年〜2026年9月)。

この12件は、製造業・人材・飲食・卸売・サービス・医療から選んだ、在庫管理に限らない集計です。在庫管理だけの件数は分けていないため、下の数字は目安として読んでください。

同じ12件で、SaaS型の小規模なシステムは80万〜300万円でした(相場の目安であり、当社の料金ではありません)。以下の業務システムの数字も、在庫管理に限らない集計です。

業務システムの中でも、規模で期間が変わります。2020年から2026年9月までの代表的な案件(各5件)では、次のとおりでした。

規模 例 開発期間
小規模 予約・管理画面など 1.5〜3か月
中規模 業務システム 4〜8か月

在庫管理を「Excelの在庫表を置き換える」程度にとどめるなら、小規模の側に入ります。受発注や会計まで一続きにするなら、中規模の側です。

Excelの置き換えに近い例が、2022年1月から2026年9月までのExcel業務のシステム化約15件です。費用は100万円未満が9件、100万〜300万円が5件、300万円以上が1件でした。従業員50名以下の会社が11件を占めます。

在庫管理ではなく卸売の受発注の例ですが、2025年3月に卸売の会社(従業員約25名)の受発注のExcelをWebの受発注システムにした例があります。入力と転記が月約40時間から約8時間になり、費用は80万〜120万円でした。

概算の早見表を置きます。金額は、上のExcel業務約15件の費用の区分に、当社の判断で規模を当てたものです。

自社の条件 規模の見方 費用の目安
1拠点・連携なしか1つ 小規模 100万円未満〜300万円
複数拠点・受発注や会計と連携 中規模 300万円以上

業務システム12件の中央値(約220万円)は、この2行の間に入ります。

金額の幅が大きいため、この記事の数字は「見積りの前の目安」として使ってください。実際の金額は、次の章の4つを決めてから出ます。業務システム全体の費用の考え方は、業務システム開発の費用の内訳でも説明しています。

拠点と連携先が増えると何が変わるのか

拠点が複数あるときは、拠点間の移動を最初の要件に入れてください。在庫が拠点をまたいで動くと、数字が合わなくなる原因の中心になるからです。

在庫管理そのものの事例を紹介します。2023年6月、私は製造業の会社(従業員約80名)の在庫管理システムを見ました。前の開発会社が作ったもので、拠点間の移動の登録が要件に入っておらず、月末の棚卸しで数字が合わない状態が続いていました。

作り直しではなく、移動の登録画面を足す改修で対応すると判断しました。かかった期間は2か月、追加費用は約120万円です。最初の要件に入れておけば、画面1つ分の作り込みで済む内容でした。

連携先についても、先に決めておくと見積りがぶれません。連携先は次の3種類が代表的です。

  • 受発注のシステム: 注文が入ったら在庫を引き当てる
  • 会計のシステム: 在庫の金額を決算に使う
  • バーコードの読み取り機: 入出庫の記録を手入力から置き換える

連携を1つ増やすごとに、つなぐ作業と試験が増えます。最初の版は連携を1つに絞り、動いてから足す進め方が、費用を抑えやすい形です。

既製のSaaSと作るシステムはどう選ぶのか

入庫・出庫・棚卸しが一般的な流れなら既製のSaaSを、自社独自の流れがあるなら作るシステムを選んでください。作るほうが優れているわけではありません。

当社では2021年から2026年9月までに、要件が一般的な勤怠・会計だったため既製のSaaSを勧めた案件が4件ありました。在庫管理でも、判断の考え方は同じです。

既製のSaaSと作るシステムを、向く業務・費用・変えやすさで比べた表

同じ内容を文字の表にします。

観点 既製のSaaS 作るシステム
向く業務 一般的な入出庫 自社独自の流れ
最初の費用 小さい 大きい
毎月の費用 利用料 保守の契約
変えやすさ 低い 高い

判断の分かれ目は、次のとおりです。

  • 扱う商品が少なく、流れが一般的なら、既製のSaaSを先に試す
  • 自社独自の計算(ロット単位の引き当てなど)があるなら、作るシステムを選ぶ
  • 今のExcelを変えず、少しずつ置き換えたいなら、作るシステムで画面を絞って始める
  • 既製のSaaSで3か月試し、手作業が残るなら、その残った作業だけを作る
  • 在庫管理だけの費用で比べるなら、SaaSの毎月の利用料を5年分に直して並べる

最後の項目のように、期間をそろえて比べると、どちらが安いかが見えます。SaaSの利用料は各社で異なり、当社は料金の相場を持っていません。

比べ方は、SaaSの月額×60か月と、作るシステムの開発費+5年分の保守を並べるだけです。作る側が上回り、手作業も残らない見込みでないなら、SaaSを選んでください。

Excelから置き換える場合の進め方は、Excel業務をシステム化するタイミングと進め方で整理しています。

自社で使えるか、相談する →今の在庫の管理方法をうかがい、既製のSaaSで足りるか、作るほうがよいかをお伝えします。全国オンラインで対応します。

見積りで比べるときに見る点は何か

見積りは金額の大小ではなく、含まれる範囲と、追加が出る条件を比べてください。最初の見積りの安さだけで決めると、後から改修や保守の費用が足されることがあります。

当社が手がけた500件以上の案件のうち、34件は契約後の仕様変更で追加の見積りになりました(2022年4月〜2026年9月)。追加額は10万〜180万円で、中央値は約35万円です。

追加を減らすために、見積りの依頼書へ次の項目を書いてください。

書くこと 書くと何が変わるか
拠点の数と、拠点間の移動 画面と在庫の持ち方が決まる
連携する相手 つなぐ作業の量が読める
出したい帳票の見本 帳票の作り込みが見積りに入る
保守の範囲 毎月の費用が比べられる

保守の月額は、当社に相場の数字がありません。各社の見積りの保守欄を、障害の対応と改修の範囲をそろえて比べてください。

複数社に頼むなら、同じ依頼書を渡してください。各社が同じ前提で金額を出すため、比べやすくなります。比べ方の手順は、システム開発の見積りを比較する方法に整理しました。

契約書の項目に迷うときは、IPA(情報処理推進機構)が公開している情報システム・モデル取引・契約書が参考になります。ユーザー企業とITベンダーの取引を透明にするための資料で、第二版とアジャイル開発版の2種類があります(2026年11月確認)。見積りの範囲と契約の範囲をそろえる材料に使ってください。

2026年11月に当社が2つのAI(ChatGPT・Gemini)に本記事の論点5問を聞き、10件の答えを集めました(出典: 当社調べ)。10件の答えの出典に挙がったページは21件で、公的機関・学会・業界団体が0件、ニュース・メディア・まとめが7件、ポータル・比較サイトが2件でした。

公的機関の出典が0件だったため、AIの答えは契約の項目をそのまま決める材料にしないでください。上のIPAの資料と照らしてから使います。契約に書いていないことは作った側に残る前提で読むのが、当社の判断です。

2025年4月、飲食店(5店舗)の予約システムを他社から引き継いだところ、ソースコードの権利が前の開発会社に残っていて改修できませんでした。譲渡を交渉するより作り直すほうが早いと判断し、3か月で作り直しました。

他社が作った在庫管理システムを引き継ぐ場合は、資料の有無も確かめます。2023年から2025年に引き継いだ6件(在庫管理に限らない)のうち、資料が無かった4件では、調査に合計約25人日(1件あたり4〜9人日)が追加でかかりました。

引き継いだシステムで、給与計算の締め日の処理がどこに書かれているか資料から分からず、本番のデータで動かしながら確かめるしかありませんでした。在庫の引き当てや棚卸しの処理でも、同じことが起こります。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

作る前に知っておく注意点: 在庫管理システムでやってはいけないこと

在庫管理システムでは、全部を一度に作ること、現場に聞かずに画面を決めること、保守を後回しにすることの3つはNGです。3つとも、費用が膨らむ原因になります。

先に決めておくこと: 最初の版は入出庫と棚卸しに絞る

発注の自動化や分析の画面は、最初の版では作らない判断が費用を抑えます。入出庫の記録が毎日正しく動いてから足してください。

3つのNGを、避け方とあわせて表にまとめます。

やってはいけないこと 起きやすいこと 避け方
全部を一度に作る 使われない機能にも人月を払う 入出庫と棚卸しに絞って出す
現場に聞かず画面を決める 入力が手間になり、記録が止まる 倉庫の担当者に画面の案を見せる
保守を後回しにする 止まったときの連絡先がない 契約で障害の対応を決める

条件が重なったときの優先順位も決めておきます。複数拠点で、受発注とも会計ともつなぎたいなら、拠点間の移動を最初に決め、連携は受発注だけを先に作ります。会計との連携は、在庫の数字が合うようになってから足しても遅くありません。

次のどれかに当てはまる場合は、作るシステムを見送ってください。

  • 扱う商品が数十点で、Excelの表で毎日足りている場合
  • 在庫を触る人が1人で、数字のずれが月に1回も起きない場合
  • 半年以内に、扱う商品や拠点が大きく変わる予定がある場合

3つとも、当社の判断で置いた目安です。Excelで毎日足りているか、ずれが月1回未満なら、作る費用に見合う効果が出にくいからです。

見送る条件のどれかに当てはまるなら、今は費用をかけず、Excelの表を整えるほうが得です。数字のずれが増えてきた時点で、もう一度検討してください。

仮に在庫の差異の確認に1日30分かかり、月20日働くなら、確認だけで月10時間、年120時間です。この年120時間に担当者の時給を掛け、開発費と5年分の保守を5年で割った額と並べてください。手作業の費用が下回るなら、見送る側です。この数字は例で、実際の数字ではありません。

税と会計の扱いは予算にどう関わるのか

自社で使う在庫管理システムは、国税庁の資料では「その他のもの」にあたり、耐用年数は5年とされています。開発費は、5年かけて費用にしていくのが基本です。

国税庁のソフトウエアの取得価額と耐用年数では、複写して販売するための原本や研究開発用は3年、その他のものは5年と示されています(令和8年4月1日現在の法令等)。

取得価額には、購入の代価のほか、自社仕様に合わせる修正作業の費用も含まれます。見積りの項目が、開発費と設定費に分かれていても、合計で考えてください。

自社で使うだけで、見積りが開発費と設定費だけなら、5年で費用にする前提で予算を組んでよいです。システムを他社に販売する、研究開発として扱いたい場合は、顧問の税理士に聞いてください。

相談の前にそろえる情報と、今日できる一歩

相談の前に、今の在庫表・拠点の数・困っていることの3つをそろえると、最初の打ち合わせで見積りの前提まで進められます。資料が完璧でなくても構いません。

今の管理を書き出す、機能を絞る、拠点と連携先を決める、複数社に頼む、の4段階の図
  • 今の在庫表: Excelや紙の見本(取引先名などは伏せたもの)
  • 拠点の数: 倉庫・店舗・工場のいくつで在庫を持つか
  • 困っていること: 数字が合わない、入力に時間がかかる、など

開発会社に最初に聞くと良いのは、次の3つです。

  • 保守の契約で、障害の対応と改修はどこまで含まれますか
  • 仕様変更が出た場合、追加の見積りはどう決まりますか
  • ソースコードと著作権は、公開後も自社に残りますか

今日できる一歩は、いまの在庫表を開き、拠点の数と連携したい相手を1行ずつ書き出すことです。この2行があれば、費用の幅はかなり絞れます。

拠点が1つで連携が1つ以下なら、早見表の小規模の行を予算にして相談してください。拠点が複数で連携が2つ以上なら、中規模の行を予算にします。

自社で使えるか、相談する →在庫表の見本と拠点の数をうかがい、費用と期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

よくある質問

在庫管理システムの開発費用は、いくらくらいですか?

在庫管理に限らない業務システム12件(2022年〜2026年9月)では、費用は80万〜800万円でした。

開発期間は、どのくらいかかりますか?

当社の代表的な案件(2020年〜2026年9月・各5件)の開発期間は、小規模が1.5〜3か月、中規模が4〜8か月でした。

既製の在庫管理ソフトで足りるのは、どんな場合ですか?

入庫・出庫・棚卸しが一般的な流れで、独自の計算や他システムとの連携が少ない場合です。

Excelの在庫表をそのままシステムにできますか?

できます。在庫以外も含むExcel業務の約15件(2022年〜2026年9月)では、100万円未満が9件でした。

作ったあとの保守は、別に費用がかかりますか?

別にかかります。障害の対応と改修の範囲を契約で決め、毎月の費用として見積りに入れます。

まとめ: 在庫管理システムの費用は4つを決めてから見る

在庫管理システムの開発費用は、拠点・連携・帳票・保守の4つで決まり、当社の実績では業務システム全体で80万〜800万円の幅がありました。

拠点間の移動を最初の要件に入れ、連携を1つに絞って始め、同じ依頼書で複数社に見積りを頼む。この順番で進めると、後から足される費用を減らせます。ほかのシステム開発の記事はシステム開発の記事一覧にまとめています。

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この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「在庫管理システム開発の費用は80万〜800万円|決まる4つの要素」2026年11月3日公開、https://conflux-partners.jp/journal/inventory-system-development-cost

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