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02 ・ AI エージェント

Excel業務のシステム化で作り直す前に確かめる4つの点

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

高い場所から見た夜のマンハッタン。大通りを光の筋が網の目のように流れている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

Excel業務のシステム化は、既製のSaaS・業務システムを作る・Excelを残してAIエージェントに任せる、の3通りから選びます。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名の会社で、受注・在庫・日報などをExcelで回していて、システムにするか迷っている経営者・事業責任者向けです

※ 2026年10月時点の情報です

AI エージェントの記事の全体は、AI エージェントの記事の一覧にまとめています。

このページの内容9 章
  1. 01Excel業務をシステム化するべきなのはどんなときか
  2. 02Excel業務をシステム化する3つの方法の違い
  3. 03Excelのまま残してよい業務の見分け方
  4. 04作り直す前に確かめる4つの点
  5. 05Excel業務のシステム化にかかる費用と期間の目安
  6. 06ExcelのままAIエージェントで集計を任せる進め方
  7. 07頼む前に先に決めておくとよいこと
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ: Excel業務のシステム化は「困りごと」から方法を選ぶ

どれが合うかは、Excelで何に困っているかで決まります。確かめる4つの点は、困りごとの絞り込み・シートごとの使い手・例外の件数・作った後に直す人です。この4つを押さえると、作ってから「前のExcelのほうが楽だった」となるのを防げます。

※ 費用と期間は、筆者が関わった案件の記録(2026年9月まで)にもとづく目安です。

Excel業務をシステム化するべきなのはどんなときか

Excel業務のシステム化を考えるべきなのは、複数人の同時編集・転記の繰り返し・ファイルの重さのどれかが続くときです。1人で開いて、1人で直しているExcelなら、急いで作り直す必要はありません。

Excel業務のシステム化とは、Excelのファイルで回している記録・集計・転記を、決まった画面とデータの置き場を持つ仕組みに移すことです。移す先は、既製のサービスでも、自社用に作るシステムでもかまいません。

Excelは、1人が考えながら表を作るには向いた道具です。困りごとが出るのは、同じファイルを何人もが使い始めたときです。

システム化を考えたほうがよい合図は、次の3つです。

  • 同じファイルを複数の人が直し、どれが最新か分からなくなる
  • 受注表から請求用の表へ、など同じ数字を何度も手で写している
  • ファイルが重くなり、開くのに時間がかかる、数式が壊れる

私は2003年にHP制作会社を創業し、事業の経営を23年続けてきました。2022年から2025年までは、AI・システム開発会社2社の代表取締役として、開発の事業を運営しました。

開発会社を経営した立場から見ると、Excelの3つの合図のうち1つでも毎週起きているなら、相談を始めてよい時期です。合図が毎週出る業務は、手直しの時間も毎週かかっているからです。

Excel業務をシステム化する3つの方法の違い

Excel業務をシステム化する方法は、既製のSaaSに移す・業務システムを作る・Excelを残してAIエージェントに任せる、の3つです。3つの違いは、Excelをやめるかどうかと、自社の手順にどこまで合わせるかにあります。

既製のSaaS、業務システムを作る、AIエージェントの3つを、Excelの扱いや費用で比べた表の図
方法 Excelの扱い 最初の費用 業務への合わせやすさ 向いている業務
既製のSaaSに移す やめる 小さい 低い(サービスの手順に合わせる) 勤怠など、どの会社でも手順が似た業務
業務システムを作る やめる 大きい 高い 受注や案件管理など、自社独自の手順がある業務
AIエージェントに任せる 残す 中くらい 中くらい 日報の集計や転記など、Excelの外で手が動く作業

AIエージェントとは、指示を受けたAIが、ファイルを読んだり別の表に書き写したりしながら、決められた仕事を順番に進める仕組みです。

3つから選ぶときの分かれ道は、次のとおりです。

  • 勤怠のように、どの会社でも手順が似た業務なら、既製のSaaSを選んでください。作る費用がかかりません
  • 受注から出荷までの流れが自社独自で、SaaSに合わせると現場が回らないなら、業務システムを作る段階です
  • Excelの表は現場が使い慣れていて、困っているのが集計や転記の手間だけなら、Excelを残してAIエージェントに任せる道を先に試してください

分かれ道の条件の2つ以上に当てはまるなら、既製のSaaSで足りるかを先に確かめてください。SaaSは作る費用がかからず、合わなければ次の方法へ移れるためです。

2021年から2026年9月までに、要件が一般的な勤怠・会計だったため既製のSaaSを勧めた案件が4件あります。作る相談を受けても、既製のサービスで足りる業務には作ることを勧めていません。作れば保守の費用が毎月かかるためです。

SaaSで足りるかは、無料の試用で確かめます。実際の1か月分のデータを入れ、必要な項目と帳票が出せるかを見てください。出せない項目が1つでもあれば、その項目が業務の中心かを現場に聞きます。

SaaSの種類は、まず勤怠や会計のように手順が一般的な業務の分野から探します。無料試用で見る項目は、次のとおりです。

  • いまのExcelの項目が、そのまま入るか
  • 帳票や集計表が、いまの形で出せるか
  • 入力する人が、説明なしで使えるか
  • 解約したとき、データを取り出せるか

Excelのまま残してよい業務の見分け方

使う人の数・開く回数・手順の変わりやすさ・転記の有無の4つのうち、システム化に当てはまるのが1つ以下の業務は、Excelのまま残してください。使う人が1人で、開くのが月に数回で、手順がよく変わる業務が典型です。作る費用に対して浮く時間が小さくなります。

システム化を見送ってよい業務と、進めたほうがよい業務を表にまとめます。

見る点 Excelのまま残してよい システム化を考える
使う人の数 1人 2人以上が同じファイルを直す
開く回数 月に数回 毎日、または毎週
手順の変わりやすさ 毎回のように変わる 半年以上ほぼ同じ
転記の有無 別の表へ写さない 同じ数字を2回以上写す

表の右の列に2つ以上当てはまる業務が、システム化の候補です。1つしか当てはまらないなら、Excelの表の作り方を整えるほうが安く済みます。当社の判断で2つ以上としているのは、1つだけでは浮く時間が作る費用に届きにくいためです。

表の右の列に当てはまるのが2つのときは、作る前にSaaSかAIの試行を先に試してください。3つ以上なら、業務システムの見積りを取る段階です。

判断は次の順に進めてください。まず上の表で当てはまる数を数えます。次に、下の月の時間で試すものを選びます。最後に、3つ以上のときだけ見積りを取ります。

表の数と月の時間が食い違うときは、月の時間を優先します。例えば表で2つ以上でも月10時間未満なら、Excelの整理で足ります。当社の判断では、表は候補を見つける線で、月の時間は費用に見合うかを見る線だからです。

浮く時間は、次のように見積もれます。仮に3人が毎週2時間ずつ転記しているなら、1か月でおよそ24時間です。

作った後の毎月の保守に取られる時間が、この24時間の人件費分を超えるなら、作っても見合いません。例えば保守と手直しが毎月24時間分を超えるなら、浮いた時間より多く使っています。見積りでは、保守の範囲と月の費用を忘れずに聞いてください。

月の時間で分けるなら、月10時間未満はExcelの整理、月10時間以上はSaaSの確認かAIの試行に進みます。

月10時間は、統計から出した線ではなく当社の判断です。当社のシフト表の事例(飲食店3店舗)は、作成が月約10時間から約2時間になりました。月10時間前後でも効果が出た例ですが、1件だけです。月10時間未満だと試行の手間にも届きにくいと考えています。

当社の事例では、受発注のExcelを移した卸売の会社(従業員約25名)で、入力と転記が月約40時間から約8時間になりました。2025年3月の案件で、費用は80万〜120万円です。月40時間なら、月10時間の線を大きく超える例です。

手順が毎回のように変わる業務は、作っても仕様の変更が続きます。手順が落ち着くまでは作るのを見送ってください。先に手順を半年ほど同じ形で回してから考えるほうが、作り直しが少なく済みます。

作り直す前に確かめる4つの点

Excel業務を作り直す前に、困りごと・使い手・例外・直す人の4つを確かめると、作った後の手戻りが減ります。4つが決まらないまま見積りを取ると、各社が違う前提で金額を出すため、比べられません。

Excel業務を作り直す前に確かめる4つの点を並べたチェックリストの図

確かめる4つの点は次のとおりです。

  1. Excelの困りごとを1つに絞る(転記の手間か、最新版が分からないことか、集計の遅さか)
  2. シートごとに、誰が入力し、誰が見ているかを書き出す
  3. いつもと違う処理(返品・取り消し・特別な値引きなど)が月に何件あるかを数える
  4. 作った後に画面や項目を直す人を、社内か開発会社か決めておく

例外の処理を数える理由

Excelの例外の処理は、見積りの前に月の件数を数えておくと、契約後の追加費用を減らせます。Excelでは、いつもと違う処理を、担当者がその場でセルを書き換えて回しています。システムでは、その例外も1つずつ画面の動きとして作ります。

私がこれまでに手がけた案件は500件以上あります。そのうち34件は、契約後の仕様変更で追加の見積りになりました。

追加の見積りになった34件(2022年4月〜2026年9月)の追加額は、10万〜180万円で、中央値は約35万円でした。この記録からは、例外処理が原因の件数までは分けられません。そのため、数えれば減ると断言はできません。

当社の考えは、記録ではなく現場の観察にもとづきます。ただ、Excelの中で人が黙って回していた処理は、見積りの前に書き出されにくい処理です。例外の件数を先に数えておくと、契約後の仕様変更を減らしやすくなります。

例外の数え方は、次のとおりです。

  • 誰が: そのExcelを毎日触る担当者が書き出します
  • どの期間を: 直近3か月分の、月末や繁忙期を含む期間を見ます
  • どの形式で: 「いつ・何を・なぜ普段と違う処理にしたか」を1行ずつ表にします

月に1件も出ない例外は、最初の見積りから外してかまいません。月に数件以上出る例外は、画面の動きとして見積りに入れてもらってください。

2023年6月には、製造業の会社(従業員約80名)で、前の開発会社が作った在庫管理システムに「拠点間の移動」の要件が抜けていました。月末の棚卸しで数字が合わない状態が続いていたため、私は作り直しではなく移動の登録画面を足す改修を選び、2か月・追加約120万円で解消しました。

2024年2月には、人材サービスの会社(従業員約30名)の勤怠システムで、仕様変更が口頭だけで進み、納品の直前に「言った・言わない」になりました。変更点を一覧にして双方で確かめ直し、納期を1か月延ばして納品しています。以後、変更は全て書面で残しています。

直す人を先に決める理由

作った後に画面や項目を直す人は、契約の前に社内か開発会社かを決めておいてください。作ったシステムは、業務が変わるたびに直す必要が出てきます。直す人が決まっていないと、小さな変更でも作った会社に頼むしかなくなります。

2024年から2026年9月までに、他社が開発した顧客管理・予約システム(CRS)を保守ごと引き継ぎ、機能を追加した案件が6件あります。他社が作った仕組みを引き継ぐとき、私は設計の資料と、改修してよい権利があるかを最初に確かめます。権利の決め方は、契約の前に開発会社と話してください。

2023年から2025年に引き継いだ6件のうち、資料が無かった4件では、調査に合計約25人日(1件あたり4〜9人日)が追加でかかりました。給与計算の「締め日の処理」がどこに書かれているか資料から分からず、本番のデータで動かしながら確かめるしかない案件もありました。

また、2025年4月に飲食店(5店舗)の予約システムを引き継いだときは、「ソースコードの権利」が前の開発会社に残っていて改修できませんでした。権利の譲渡を交渉するより作り直すほうが早いと判断し、3か月で新しく作り直しました。

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Excel業務のシステム化にかかる費用と期間の目安

Excel業務のシステム化は、費用が業務システムで80万〜800万円、期間が小規模で1.5〜3か月・業務システムで4〜8か月が目安です(筆者が関わった案件)。金額の幅が大きいのは、画面の数と例外の処理の数で作る量が変わるためです。

2022年から2026年9月までの代表的な12件は、業種がばらけるように選びました。製造業・人材・飲食・卸売・サービス・医療で、同じお客様の案件は1件にまとめています。費用の中央値は約220万円でした。

費用は次のとおりでした。

種類 費用の目安 Excel業務での使いどころ
業務システム 80万〜800万円 受注・在庫・案件管理を1つの画面にまとめる
SaaS型の小規模なシステム 80万〜300万円 予約や申し込みの受付を画面にする
AI導入の試行(PoC) 50万〜200万円 Excelの集計や転記を、AIで1つ試す

期間の母数は、費用の12件とは別です。2020年から2026年9月までの代表的な案件(各5件)では、小規模(予約・管理画面など)で1.5〜3か月でした。中規模(業務システム)では4〜8か月です。

Excelから移す場合は、いまのファイルのデータを新しい仕組みへ移す作業も期間に入ります。なお、費用の代表的な12件の開発期間は1.5か月〜8か月で、中央値は4か月でした。

Excel業務のシステム化そのものは、2022年1月から2026年9月までに約15件ありました。業種は製造業4件・卸売3件・サービス5件・飲食3件です。従業員50名以下が11件で、費用は100万円未満が9件・100万〜300万円が5件・300万円以上が1件でした。

約15件のうち、うまくいったのは約11件です。問題になったのは約4件で、使われなくなった2件と追加費用が出た2件でした。だからこそ、作る前に使い手と直す人を確かめてください。

この約15件は、当社が関わった全件の記録で、選び抜いた件数ではありません。ただ、母数が小さいため、成功率としては読まず、失敗しやすい点の手がかりにしてください。

次の3件は、Excel業務を移した事例です。時間は各1件の前後の比べで、平均ではありません。

  • 2025年3月: 卸売の会社(従業員約25名)の受発注。入力と転記が月約40時間から約8時間(費用80万〜120万円)
  • 2024年9月: 経理代行の会社(従業員約15名)の請求書管理。仕訳の入力が1件約5分から約1分(費用150万〜200万円)
  • 2025年11月: 飲食店(3店舗)のシフト表。作成が月約10時間から約2時間(費用50万〜80万円)

当社調べでは2026年10月に、3つのAI(ChatGPT・Claude・Gemini)へ「Excel 業務 システム化について教えてください」と質問しました。3件の答えのうち、期間(◯か月・◯日など)に触れた答えは無く、専門家への相談に触れた答えは無く、費用の金額(◯円)に触れた答えは3件中1件でした。

同じ調べでは、3件の答えの出典に挙がったページは11件で、公的機関・学会・業界団体が0件、ニュース・メディア・まとめが4件、ポータル・比較サイトが1件でした。

業務システムの費用の内訳は、業務システム開発の費用は何で決まる?で詳しく扱っています。見積りの比べ方は、システム開発の見積もりの比べ方にまとめました。

3件のAIへの質問は母数が小さいため、結論には使わず、情報が薄い分野だと見る手がかりにしています。

見積りを依頼するときは、次の質問を各社に同じ形で聞いてください。

  • 例外の処理は、何件を見積りに入れているか
  • 保守の範囲と月の費用は、いくらか
  • 改修してよい権利は、どちらにあるか
  • 手順が変わったとき、変更の見積りはいつ出るか

費用で迷う場合の分かれ道は、次のとおりです。

  • 作る費用を先に小さく抑えたいなら、AIの試行で集計や転記を1つだけ任せ、効果を数えてから広げてください
  • 複数の部署が同じデータを使い、Excelの表が何枚にも分かれているなら、業務システムとして1つにまとめる見積りを取ってください

ExcelのままAIエージェントで集計を任せる進め方

ExcelをやめずにAIエージェント(指示を受けて決まった仕事を順に進めるAI)へ集計や転記を任せると、現場の入力の仕方を変えずに手間だけを減らせます。画面を作り直さないため、現場で覚え直すことがほとんどありません。

2025年から2026年9月までに、AIエージェントで業務を自動化した8件があります。AIエージェントで自動化した8件のうち、日報の集計は週3時間から自動になりました。問い合わせメールの一次分類と返信の下書きは、1日2時間から30分になっています。

Excelの集計に近い案件では、請求書の仕訳案の作成が月約20時間から約5時間になりました(2024年10月〜12月に測定)。

ただし、8件のうち2件はうまくいきませんでした。手書きの書類が多く読み取りの精度が上がらなかった1件と、例外の処理が多く人の確認が減らなかった1件です。

撤退の線は、次のとおりです。ずれが1割を超える、または人の確認時間が減らないなら、手作業に戻してください。ずれとは、AIの集計と人の集計で数字が違った件数を、見比べた全件で割った割合です。

金額の線は、試行の費用の目安(50万〜200万円)の中で上限を先に決めることです。上限に達しても月10時間の線に届かないなら、広げずに止めてください。当社の判断では、上限が無いと試行が延びやすいためです。手書きの書類が多い業務や、例外が多い業務は、AIに任せる前に向くかを疑ってください。

AIエージェントにExcelの集計を任せる準備・試作・運用・拡大の4つの段階の図

AIエージェントに集計を任せる進め方は、次の4つの段階です。

  1. 集計を1つ選ぶ: いま手でまとめている集計を1つ選び、1回にかかる時間を数えます
  2. 試作する: AIが作った集計と、人が作った集計を全件見比べます
  3. 確かめる: ずれた件数と、ずれた理由を記録します
  4. 広げる: ずれがほぼ無くなった集計から手を離し、次の集計へ移ります

私たちが自動化を作るときは、進める仕組みと止める仕組みを一組で作り、人が確認する工程から段階的に広げることを決まりにしています。

記事づくりの7工程を毎日自動で進める「AIO(SEO)対策エージェント」でも、品質の基準に届かない記事は自動で止まります。Excelの集計でも、数字が合わないときに止まって人へ知らせる作りにしておくと安心です。

仮に見比べた全件のうち、ずれが1割を超えるなら、手作業に戻してください。当社の判断では、ずれが多いと確認の手間が集計の時間を上回るためです。

納期の問題で、2025年の案件では、外部APIの仕様変更により連携部分が動かず、納期の2週間前に判明しました。私は機能を段階的に出す形に切り替え、主要な機能を予定日に公開し、残りを3週間後に納品しました。一度に全部を渡さない進め方は、Excelの集計でも同じです。

AIに社内のファイルを読ませるときは、入力してよい情報の範囲も決めておきます。

2025年から2026年9月までに生成AIの社内ルールづくりを10件支援し、入力してよい情報の範囲、使うツール、出力物の確認者を決めました。決め方は生成AIの社内ルールの作り方で紹介しています。

頼む前に先に決めておくとよいこと

Excel業務のシステム化を頼む前には、最初の費用に加えて、作った後に直す費用と改修してよい権利を決めておいてください。最初の見積りの安さだけで選ぶと、改修のたびに別料金が積み重なります。

最初の見積りの安さだけで選ぶのはNG

起きること: 作る費用が安くても、保守の範囲が狭いと、項目を1つ足すたびに別の見積りになります。
原因: 見積りを最初の開発費だけで比べ、作った後の改修と保守の費用を並べていないためです。
避け方: 1年間で払う総額を、作る費用・保守の費用・改修の費用を足して比べてください。

契約書を読むときは、契約に書いていないことは作った側に残る前提で読んでください。作ったシステムの著作権や、改修してよい権利は、費用を払っただけでは自社に移らないことがあります。具体的な契約の判断は、弁護士に確かめてください。

IPA(情報処理推進機構)の情報システム・モデル取引・契約書は、発注する会社と開発会社が各段階で担う責務の解説と、契約書のひな型を公開しています。契約の項目を確かめる手がかりになります。

外注する前に知っておきたい点は、システム開発を外注するデメリットと対策でも整理しています。

自社に合う方法を決める今日の一歩

まず、いちばん時間を取られているExcelを1つ選び、誰が・週に何時間触っているかを書き出してください。その数字があれば、残す・SaaSに移す・作る・AIに任せる、のどれが見合うかを最初の相談で話せます。

書き出した時間が月10時間未満なら、自分でExcelの表を整えて終えてかまいません。月10時間以上なら、先にSaaSの無料試用を試し、足りなければ相談してください。

総務省の令和8年版 情報通信白書によると、生成AIを活用する方針の企業は2025年度の調査で68.9%でした。企業規模別では、大企業が74.0%、中小企業が58.1%です。前年度の49.7%から上がり、特に中小企業で大きく上がったとされています。

自社で使えるか、相談する →どのExcelから手をつけるかが決まっていなくても大丈夫です。業務の流れをうかがい、楽にできるところと費用・期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。

よくある質問

Excelで回している業務は、どの時点でシステムにするべきですか?

複数の人が同じファイルを直す、同じ数字を何度も転記する、ファイルが重くミスが増えた、のどれかが続く時点が目安です。

システム化の相談では、何をしてもらえますか?

いまのExcelと業務の流れを見て、既製のSaaS・作る・AIエージェントのどれが合うかと、費用と期間の目安を一緒に整理します。

IT担当がいない会社でも、システム化した後に使い続けられますか?

使えます。直す人と保守の範囲を契約の前に決め、手順書を残しておけば、IT担当がいなくても運用を続けられます。

Excelのまま残したほうがよいのは、どんな業務ですか?

使う人が1人で、月に数回しか開かず、手順もよく変わる業務です。当てはまる点が1つ以下なら、Excelのままで足ります。

システム化の効果は、どのくらいで見えてきますか?

集計や転記を1つだけ先に任せれば、試作を動かした月から、人が手で直した件数と浮いた時間を数えられます。

まとめ: Excel業務のシステム化は「困りごと」から方法を選ぶ

Excel業務のシステム化は、既製のSaaS・業務システムを作る・AIエージェントに任せる、の3つから選びます。手順が一般的ならSaaS、自社独自なら作る、集計と転記だけが手間ならExcelを残してAIに任せます。

作り直す前に、困りごと・使い手・例外・直す人の4つを確かめる。この4つを確かめてから進めると、作った後も社内で使われ続ける仕組みにできます。ほかの記事はAIエージェントの記事一覧にまとめています。

この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「Excel業務のシステム化で作り直す前に確かめる4つの点」2026年10月21日公開、https://conflux-partners.jp/journal/excel-business-systemization

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