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02 ・ AI エージェント

コールセンターのAIエージェントで人に戻す4つの通話と任せる仕事

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

夜の窓辺の机の上で、ドミノが順に倒れていき、最後の手前に小さな木の止め具が置かれている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

コールセンターのAIエージェントは、通話のあとの記録・折り返しの手配・確認メールの下書きを自分で進め、判断が要る通話は人に戻す仕組みです。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名の会社で、電話窓口の後処理を減らしたい経営者・事業責任者向けです

※ 2026年10月時点の情報です

AI エージェントの記事の全体は、AI エージェントの記事の一覧にまとめています。

このページの内容8 章
  1. 01コールセンターのAIエージェントとは?自動音声応答との違い
  2. 02AIエージェントが電話のあとに進められる仕事は何か
  3. 03AIエージェントから人に戻すべき4つの通話
  4. 04AIエージェントに向く電話窓口・向かない電話窓口
  5. 05AIエージェントに任せる範囲を広げる3つの段階
  6. 06AIエージェントの費用・期間と頼む前に決めること
  7. 07よくある質問
  8. 08まとめ: AIエージェントは「人に戻す通話」を決めてから任せる

電話に出る人を置き換えるものではありません。通話を切ったあとの「台帳を開く・書く・連絡する」を、AIが続けて進めます。

少人数の電話窓口で先に決めるのは、AIの性能ではなくどの通話を人に戻すかです。戻す線が決まっていれば、AIに任せる範囲は少しずつ広げられます。

※ 統計の数字は2026年10月26日に総務省の公式ページで確かめた値です。

コールセンターのAIエージェントとは?自動音声応答との違い

コールセンターのAIエージェントは、用件を聞き分けたあと、台帳の検索・書き込み・連絡までの手順を続けて進めるAIです。案内するだけの自動音声応答や、文字にまとめるだけの文字起こしとは、受け持つ範囲が違います。

関連する内容については、コールセンターのシステム開発で見落とす4項目にまとめています。

関連する内容は、コールセンターのAI導入は何から始める?で解説しています。

AIエージェントとは、目的を与えると、必要な手順を自分で選んで順に進めるAIのことです。コールセンターでは「通話の内容を読み、台帳を調べ、次の連絡を用意する」までを1つの流れで受け持ちます。

AIエージェント・自動音声応答・文字起こし要約の3つを、すること・つなぐ先・人の確認で比べた表の図

電話で使うAIの違いを表にまとめます。

観点 AIエージェント 自動音声応答 文字起こし・要約
すること 次の手順まで進める 用件を聞いて案内する 通話を文字にまとめる
つなぐ先 台帳・予約・メール 電話の仕組み 顧客台帳
人の確認 書き込む前に確かめる 通話中は確かめにくい 要約を読んで直す

自動音声応答は、お客様が最初に話す相手がAIになります。聞き違えたまま案内が進むと、お客様が担当者にたどり着けません。

AIエージェントは、通話のあとに動かせます。人が電話に出て、切ったあとの作業をAIが進める形です。お客様と話すのは人のままなので、AIが間違えても書き込む前に止められます。

AIの答えが電話窓口の話を扱っているかを確かめました。2026年10月に当社が2つのAI(ChatGPT・Gemini)に本記事の論点5問を聞き、10件の答えを集めました。ほかの論点を聞いた答え8件のうち、『電話窓口』に触れたものは0件でした(出典: 当社調べ)。

同じ調べでは、ほかの論点を聞いた答え8件のうち、『自動音声応答』に触れたものは1件でした(出典: 当社調べ)。電話窓口に絞った情報は、AIの答えだけでは足りないと当社は判断しています。

文字起こし・要約から始める進め方はコールセンターのAI導入の4段階で説明しています。この記事は、その次に「手順まで任せる」ときの線の引き方を扱います。

AIエージェントが電話のあとに進められる仕事は何か

コールセンターのAIエージェントが進められるのは、台帳への記録・折り返しの手配・確認メールの下書き・担当者への引き継ぎの4つです。どれも、通話の内容から次にやることが決まる仕事です。

4つの仕事の中身は次のとおりです。

仕事 AIエージェントがすること 人が残すこと
台帳への記録 用件と次の対応をお客様ごとに書く 書き込む前の確認
折り返しの手配 担当者の予定を見て候補を出す 日時の決定
確認メールの下書き 通話の内容から案内文を作る 送る前の確認
担当者への引き継ぎ 用件と経緯をまとめて渡す 引き継ぐ相手の判断

少人数の窓口では、1本の電話のあとに台帳・予定表・メールを順に開きます。画面を行き来する時間は、通話そのものより長くなることがあります。

当社が2025年から2026年9月までにAIエージェントで業務を自動化した8件では、問い合わせメールの一次分類と返信の下書きが1日2時間から30分になりました(出典: 自社実績・2026-10時点)。同じ8件では、日報の集計が週3時間から自動になりました。

AIで問い合わせの一次返信を自動化した案件では、1件約10分かかっていた返信が、確認だけの約2分になりました(2025年8月〜10月に測定、出典: 自社実績)。

上の1日2時間から30分と、1件約10分から約2分は、メール対応の実測で、電話窓口の実測ではありません。コールセンターでの当社の支援は、2024年から2026年9月までのAI導入16件のうち2件(応対の要約)にとどまります(出典: 自社実績・2026-10時点)。

電話のあとの確認メールも下書きをAIが作れば、人は読んで送るだけになると当社は見ています。メールの下書きと電話後の確認メールは、通話の内容から案内文を作る点が同じためです。

メールやフォームの問い合わせから減らしたい会社は、問い合わせ対応の自動化の進め方から読んでください。

AIエージェントから人に戻すべき4つの通話

コールセンターのAIエージェントは、お金の判断・苦情・本人確認・聞き取れない通話の4つを人に戻す前提で作ります。4つを先に決めておくと、AIに任せる範囲を広げても、お客様への影響が出ません。

人に戻す4つの通話と理由は次のとおりです。

人に戻す通話 理由
値引き・返金などお金の判断が要る通話 会社としての判断になるため
苦情や強い不満が出た通話 言葉の選び方で結果が変わるため
本人確認が要る通話 個人情報を渡す相手を確かめるため
聞き取れない・例外の多い通話 AIが用件を取り違えやすいため

例外の処理が多い用件は、AIに任せても人の確認が減りにくいと当社は判断しています。台帳に無い商品の問い合わせや、過去の経緯を知らないと答えられない相談が当てはまります。

私は自社でも、記事づくりの7工程を毎日自動で進める「AIO(SEO)対策エージェント」を開発して動かしています。開発で決めていたのは、進める仕組みと止める仕組みを一組で作ることです(出典: 現場での観察・2026-10時点)。

AIO(SEO)対策エージェントは、品質の基準に届かない記事を公開の手前で自動で止めます。コールセンターでも、4つの通話に当たったら書き込まずに人へ回す止め方を、最初の試作から入れておきます。

AIエージェントに向く電話窓口・向かない電話窓口

AIエージェントが向くのは、決まった手順で済む用件が多い窓口です。電話の件数より、用件が手順で済むかどうかで判断します。

かかってくる電話の全件から、AIエージェントが最後まで進める通話へ段階的に絞り込む図

かかってくる電話を、AIエージェントが最後まで進められる通話まで絞り込むと、任せる範囲が見えます。全件から、用件を聞き分けられる通話、決まった手順で済む通話の順に絞ります。

判断の分かれ目は次のとおりです。

  • 予約の変更・資料の送付・配送の問い合わせなど、手順で済む用件が直近1週間の電話の7割以上なら、AIエージェントで台帳への記録と確認メールを任せてください
  • 同じ用件でも、答えがお客様ごとに違う窓口なら、文字起こし・要約から始めてください。手順を決める材料がまだ足りないためです
  • 台帳がExcelで、担当者ごとに書き方が違うなら、先に台帳の項目をそろえてください。AIが書き込む先が決まらないためです

7割以上は当社の判断の目安です。人に戻す4つの通話が3割を超えると、AIに任せても人の確認が減りにくいと見ているためです。

当社がAIエージェントで自動化した8件のうち2件はうまくいきませんでした。1件は、例外の処理が多く人の確認が減らなかった案件です(出典: 自社実績・2026-10時点)。この失敗が、3割を境にする理由です。

数え方は次の手順です。直近1週間の電話を1件ずつ、手順で済む用件か、人に戻す4つの通話かに分けます。手順で済む件数を、その週の電話の全件数で割った値が7割以上かを見ます。人に戻す通話を全件数で割った値が3割を超えるなら、次の向かない窓口の扱いにしてください。

用件のほとんどが値引き・苦情・個別の相談の窓口には、AIエージェントは向きません。人に戻す通話が多く、確認の手間が残るためです。人に戻す4つの通話が全件の3割を超える窓口も同じで、AIを入れる前に応対の手順書を作るほうが先です。

判断の分かれ目の3項目のうち、自社の窓口が2つ以上に当てはまるなら、まず台帳の項目をそろえてください。書き込む先が決まらないと、記録も確認メールもAIに任せられないためです。台帳をそろえたあとで、文字起こし・要約から始めます。

台帳をExcelから業務システムに移すかどうかは、Excel業務のシステム化で確かめる4つの点で判断できます。

仮に、電話を切ったあとの記録と連絡に1件10分かかっているとします。その作業が確認だけの約2分になれば、1件あたり約8分が浮く計算です。メールの一次返信で測った時間を当てはめた仮の例で、電話窓口の実測ではありません。

自社の時間は、直近1週間の電話10件ほどで測れます。切ってから台帳の記録と連絡を終えるまでをストップウォッチで測り、平均を出してください。

見送る目安も置きます。例えば、浮く時間が1件8分なら、月10時間は月75件の電話で届く計算です(600分÷8分)。月の電話がそれより少なく、浮く時間が月10時間に届かないなら、AIを入れず手順書づくりを先にしてください。当社の判断では、試行(PoC)の費用に見合う削減が見込みにくいためです。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

AIエージェントに任せる範囲を広げる3つの段階

コールセンターのAIエージェントは、探すこと・下書き・書き込みの3段階で、任せる範囲を広げます。段階ごとに人が確かめる工程を残し、直す量が減ってから次へ進みます。

近い論点をRAG導入の前に決める3つで扱っています。

AIエージェントに任せる範囲を、探すこと・下書き・書き込みの3つの段階で広げる流れの図

3つの段階の中身は次のとおりです。

  1. 探すことを任せる: 通話の内容から、台帳と資料を調べて答えの候補を出します
  2. 下書きを任せる: 台帳への記録と確認メールの下書きを作り、人が確かめてから送ります
  3. 書き込みを任せる: 決まった用件だけ、人の確認を外して台帳に書き込みます

1段階目は、AIが台帳を読むだけです。書き換えないので、間違えても台帳は元のままです。

2段階目では、人が下書きを直した件数と理由を記録します。直す理由が分かると、AIへの指示を直す材料になります。

3段階目に進む目安は、同じ用件の下書き10件が続けて、直さずに済んだときです。直した下書きが1件でもあれば、数え直します。10件は当社の判断で、1週間分の電話で確かめられる件数のためです。直す量が多い用件は、2段階目のまま残します。

社内の資料から答えの候補を探させる仕組みは、RAGとも呼ばれます。資料の整え方はRAG導入の前に決める3つで説明しています。

AIエージェントの費用・期間と頼む前に決めること

AI導入の試行(PoC)の費用の相場は50万〜200万円で、つなぐ先の数と外とつなぐ口の有無で幅が決まります。AIの利用料より、つなぎ込みの開発が大きくなりやすいためです。

近い論点をホテルのAI導入のメリットは?で扱っています。

電話窓口に限らない相場です。当社が2022年から2026年9月までに手がけた代表的な12件では、費用は50万〜200万円でした(出典: 自社実績・2026-10時点)。2020年から2026年9月までの代表的な案件(各5件)では、小規模な開発の期間は1.5〜3か月でした。

条件別の見方は、当社の判断です。つなぐ先が台帳1つだけで外とつなぐ口もあるなら、相場の下側に近づきます。つなぐ先が台帳・予約・メールと増え、口が無い仕組みなら、上側に寄ります。つなぎ込みの量が変わるためです。

費用の内訳と月額の考え方は、AIエージェントの費用はいくら?で詳しく説明しています。

最初から台帳への書き込みまで任せるのはNG

起きること: 聞き違えた用件のまま台帳が書き換わり、次の担当者が誤った経緯で応対します。
原因: 人に戻す通話を決めないまま、AIに書き込む権限を渡しているためです。
避け方: 読むだけの1段階目から始め、直さずに済む用件だけ書き込みを任せます。

頼む前に決めておくとよいことを表にまとめます。

決めておくこと 決めると何が変わるか
AIエージェントに任せる用件と件数 作る範囲が読める
人に戻す通話の決まり 止める仕組みを最初から作れる
使っている電話・台帳・メールの仕組み つなぎ込みの量が見積れる
確かめる担当者 社内の手間を数えられる
仕様を変えるときの決め方 見積りの前提がぶれない

最後の項目は、私が開発会社の側で学んだことです。2024年2月、人材サービスの会社(従業員約30名)の勤怠システムで、仕様変更が口頭のやり取りだけで進みました。納品の直前に「言った・言わない」になり、変更点を一覧にして双方で確かめ直しました。

以後、変更は書面で残す運用にしています。AIエージェントでも、人に戻す通話の決まりを変えたときは書面に残してください。

開発会社に見積りを頼むときは、次の3つの質問をしてください。

  • 「人に戻す通話に当たったとき、AIエージェントはどこで止まりますか?」
  • 「使っている電話・台帳の仕組みに、外とつなぐ口はありますか?」
  • 「作ったAIエージェントを、別の会社にも手直しを頼める権利になりますか?」

通話の内容をAIに渡す前に、入力してよい情報の範囲も決めます。総務省は「AI事業者ガイドライン」の1.2版を、令和8年3月31日に総務省の掲載ページで公表しました。社内の決まりは生成AIの社内ルールのサンプルを下敷きにできます。法律上の個別の判断が要るときは、弁護士に確かめてください。

生成AIを使う会社は増えています。総務省の令和8年版 情報通信白書によると、2025年度の調査で生成AIを活用する方針の企業は全体で68.9%でした。中小企業では58.1%で、2024年度の調査(全体49.7%)から上がっています。

自社で使えるか、相談する →いまの電話の用件と、使っている台帳・メールの仕組みをうかがい、AIエージェントに任せられる範囲と費用・期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

今日できる一歩は、直近1週間の電話を「手順で済む用件」と「人に戻す4つの通話」に分けて数えることです。手順で済む件数を全件数で割り、7割以上なら、AIエージェントに任せる候補になります。7割に届かない、または人に戻す通話が3割を超えるなら、手順書づくりが先です。頼める範囲はAIエージェント開発のサービスにまとめています。

よくある質問

コールセンターのAIエージェントに、電話に出るところまで任せられますか?

任せられますが、少人数の窓口は通話のあとの仕事から任せます。聞き違えたときのお客様への影響が小さいためです。

社内にITに詳しい人がいなくても、AIエージェントを使い続けられますか?

使い続けられます。社内で決めるのは任せる用件と確かめる担当者で、つなぎ込みと保守は開発会社に任せられます。

開発会社に頼むと、どこまでしてもらえますか?

用件の洗い出し、AIエージェントの試作、電話の仕組みや顧客台帳とのつなぎ込み、運用後の手直しまで頼めます。

コールセンターのAIエージェントの効果は、どのくらいで分かりますか?

1件あたりの後処理時間を試作の前後で比べて測ります。小規模な開発の期間は1.5〜3か月です。

コールセンターのAIエージェントが向かないのは、どんな電話窓口ですか?

用件のほとんどが値引き・苦情・個別の相談の窓口です。決まった手順で済む通話が少なく、人の確認が減りません。

まとめ: AIエージェントは「人に戻す通話」を決めてから任せる

コールセンターのAIエージェントは、通話のあとの記録・折り返しの手配・確認メールの下書き・引き継ぎを進めるAIです。お金の判断・苦情・本人確認・聞き取れない通話の4つは人に戻します。

読むだけの段階から始め、直さずに済む用件だけ書き込みを任せる。この順番なら、電話に出る人を減らさずに後処理の時間を減らせます。

自社で使えるか、相談する →電話の用件と件数をうかがい、AIエージェントで減らせる手間の目安をお伝えします。全国オンラインで対応します。

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この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「コールセンターのAIエージェントで人に戻す4つの通話と任せる仕事」2026年10月26日公開、https://conflux-partners.jp/journal/callcenter-ai-agent

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