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02 ・ AI エージェント

物流でAI導入はどこから?配車・在庫・荷待ちの事例

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

高い場所から見た夜のマンハッタン。大通りを光の筋が網の目のように流れている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

物流のAI導入事例は、配車計画・倉庫の在庫とピッキング・電話やFAXの受注入力・荷待ちの予約受付の4つの仕事に集まります。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名の運送会社・倉庫会社、または自社で出荷を抱える会社で、配車や受注の手間をAIで減らしたい経営者・事業責任者向けです

※ 2026年10月時点の情報です

AI エージェントの記事の全体は、AI エージェントの記事の一覧にまとめています。

このページの内容9 章
  1. 01配車・受注・在庫・荷待ち:物流でAIが入る4つの場面
  2. 02配車計画と受注の入力:運送会社の事務所で使うAI
  3. 03在庫とピッキング:倉庫の仕事で使うAI
  4. 04荷待ちの予約受付:AIエージェントに任せる窓口の仕事
  5. 052024年問題と物流効率化法で、なぜAI導入が求められているか
  6. 06物流のAI導入でよくある誤解と、うまく進める順番
  7. 07開発会社に相談する前に、物流の現場で書き出しておくこと
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ: 物流のAI導入は「回数の多い1つの仕事」から

どの仕事も、AIが下書きを出し、配車係や倉庫の担当者が確かめて使う形から始まります。この記事では、運送会社・倉庫・荷主の立場ごとに、最初に選ぶとよい仕事を説明します。

※ 国の資料は2026年10月16日に国土交通省の公開ページで確かめた内容です。

配車・受注・在庫・荷待ち:物流でAIが入る4つの場面

物流のAI導入は、事務所の配車と受注、倉庫の在庫とピッキング、窓口の荷待ち予約という、毎日くり返す4つの仕事に集まります。ここで紹介するのは特定の会社の成果ではなく、中小の物流会社で選ばれやすい導入の形です。

物流のAI導入とは、配車・在庫・受付などの仕事の一部を、文章や数字を読み取って候補を出すAIに任せることです。トラックや倉庫の機械を入れ替えることとは別の話です。

物流でAIに任せやすい4つの仕事を、事務所・倉庫・荷受けの窓口の3つの場所に分けた図

4つの仕事と、AIに渡す材料を表にまとめます。

仕事 場所 AIに渡す材料 人が最後に決めること
配車計画 事務所 荷物の量・届け先・車両とドライバーの空き どの便で運ぶか
受注の入力 事務所 電話のメモ・FAX・メールの注文 受けられない注文の扱い
在庫とピッキング 倉庫 入出庫の記録・棚の場所 欠品したときの対応
荷待ちの予約受付 荷受けの窓口 バースの空き・到着予定 遅れた車の順番

4つとも、最後に決めるのは人です。AIが受け持つのは、探す・並べる・書き写すという判断の手前の作業になります。

配車計画と受注の入力:運送会社の事務所で使うAI

運送会社の事務所では、配車の下書きづくりと、電話やFAXで届く注文の入力がAIに任せやすい仕事です。どちらも配車係が毎朝・毎夕に時間をかけている作業です。

配車計画では、翌日の荷物の量と届け先、車両とドライバーの空きをAIが読み、便の組み合わせの案を出します。配車係は案を見て、荷主との約束やドライバーの事情を足して決めます。

ベテランの配車係は、「この荷主は午前着が条件」「この道は大型が入れない」といったきまりを覚えています。AIに任せる前に、そのきまりを文章に書き出すことが最初の作業です。

受注の入力では、FAXやメールの注文書をAIが読み取り、届け先・荷物の数・希望日を受注表に下書きします。読み取れない注文だけを担当者に回します。

AIエージェントとは、指示を受けたAIが資料を読んだり表に書き込んだりしながら、決められた仕事を順番に進める仕組みです。1回答えて終わるチャットとは違います。

注文を読んで受注表に入れ、配車の案まで作る流れは、いくつもの手順をつなぐのでAIエージェントが合います。

在庫とピッキング:倉庫の仕事で使うAI

倉庫では、入出庫の記録から在庫のずれを見つける作業と、ピッキングの順番を組む作業がAIに任せやすい仕事です。棚や機械を変えずに、今ある記録から試せます。

在庫の確認では、入庫と出庫の記録をAIが照らし合わせ、数が合わない品番を一覧にします。担当者は一覧に載った品番だけを棚で数えれば済みます。

ピッキングの順番は、その日の出荷と棚の場所から、歩く距離が短くなる並びをAIが案として出します。新しく入った人でも、案の順に回れば迷いにくくなります。

倉庫を持つ会社は、ここで立場が分かれます。

  • 入出庫の記録をシステムや表で取っているなら、在庫のずれ探しから試せます
  • 記録が紙の伝票だけなら、先に記録を表に移す段階です
  • 出荷の波で人の配置に困っているなら、シフトづくりの自動化も候補になります

私たちは、シフトを自動で作る「ラクシフトAI」を株式会社モチクロと共同開発しました。人の配置を決める作業も、きまりを書き出せばAIに下書きを任せられる仕事の1つです。

荷待ちの予約受付:AIエージェントに任せる窓口の仕事

荷待ちの予約受付は、トラックの到着予定とバースの空きを突き合わせ、時間枠を返す仕事で、AIエージェントが受け持てます。電話で一台ずつ受けている窓口ほど、手間が減ります。

バースとは、倉庫や工場でトラックを止めて荷物を積み降ろしする場所のことです。空きが無いと、トラックは外で順番を待つことになります。

予約受付をAIエージェントに任せると、窓口の仕事は次の順で進みます。

  1. ドライバーや運送会社から到着予定の連絡を受ける
  2. バースの空きと照らして、時間枠の案を返す
  3. 予約表に下書きとして書き込む
  4. 枠が取れない連絡や、遅れの連絡だけを担当者に回す

電話の受付を自動にする部分は、問い合わせ対応の自動化はどこまでできる?で段階ごとに説明しています。

AIに任せる前と後で、窓口の担当者の作業は次のように変わります。

工程 AIに任せる前 AIに任せた後
到着の連絡を受ける 担当者が電話を受ける AIが受けて内容を記録する
空きを確かめる 予約表を見て探す AIが案を出す
遅れた車の順番を決める 担当者が決める 担当者が決める

自社で使えるか、相談する →配車・受注・倉庫・荷受けのうち、どの仕事に時間がかかっているかをうかがい、AIで楽にできるところと、費用・期間の目安をお伝えします。全国オンラインで対応します。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

2024年問題と物流効率化法で、なぜAI導入が求められているか

国土交通白書2024は、対策をしなければ2024年度に14%、2030年度に34%の輸送力が足りなくなる見込みと示しています。運べる量が限られるなかで、事務の手間を減らす手段の1つがAIです。

関東運輸局は、トラック事業に2024年4月から時間外労働の上限(休日を除く年960時間)が適用されたと説明しています。運転の時間が限られると、配車や荷待ちの無駄がそのまま運べる量の差になります。

国の資料で確かめた内容を表にまとめます。

項目 内容 出典
輸送力の不足の見込み 対策をしなければ2024年度に14%、2030年度に34% 国土交通白書2024
時間外労働の上限 2024年4月から年960時間(休日を除く) 関東運輸局
荷主・物流事業者の努力義務 2025年4月1日から施行 国土交通省
特定事業者の義務 2026年4月から中長期計画や定期報告など 同上

国土交通省の物流効率化法のページでは、調査の項目として「荷待ち・荷役等時間の短縮」と「積載効率の向上等」が挙がっています。荷待ちの予約受付と配車計画は、この2つに直接かかわる仕事です。

自社が荷主として指定を受けるか、取引先にどんな報告を求められるかは、国土交通省のページと手引きで確かめてください。

物流のAI導入でよくある誤解と、うまく進める順番

物流のAIは、配車や在庫を一度に全部任せるものではなく、人が直した記録を毎月AIに返して、任せる範囲を広げていくものです。この順番を知っているかどうかで、試作の進み方が変わります。

物流のAI導入でよくある誤解と正しい理解を左右に並べて比べた図

よくある誤解と正しい理解は、次の3つです。

  • AIが配車を全部決めるのではなく、AIは配車の下書きを出し、配車係が決めます
  • 大手の物流会社だけのものではなく、少人数の事務所ほど1人分の手間が減った効果が見えます
  • システムを入れれば終わりではなく、毎月直して任せる範囲を広げます
AIが下書きを出し、担当者が直し、理由を記録して指示とデータを直し、任せる範囲を広げる5つの段階をくり返す図

毎月回す流れは、5つの段階です。

  1. AIが配車や受注の下書きを出す
  2. 担当者が下書きを直して使う
  3. 直した理由を記録する
  4. 記録をもとに、AIへの指示とデータを直す
  5. 直しがほとんど無い仕事から、任せる範囲を広げる

私たちは、記事づくりの7工程を毎日自動で進める「AIO(SEO)対策エージェント」を開発し、セブンセンシズ株式会社が提供しています。作るときに決めていたのは、進める仕組みと止める仕組みを一組にすることでした。

AIO(SEO)対策エージェントは、品質の基準に届かない記事を自動で止めます。物流でも同じで、届け先が読めない注文は受注表に入れずに人へ回す止め方を、進め方と一緒に作ります。

立場ごとに、最初に選ぶとよい仕事を表にまとめます。

会社の立場と困りごと 最初に選ぶ仕事 理由
運送会社で、配車に毎日時間がかかる 配車計画の下書き 配車係が案をその場で確かめられる
運送会社で、FAXの注文が多い 受注の入力 手順が決まっていて結果がすぐ分かる
倉庫で、棚卸しのたびに数が合わない 在庫のずれ探し 今ある記録だけで試せる
荷主で、トラックの待ちが長い 荷待ちの予約受付 窓口の電話の手間が減る

2つ以上に当てはまるなら、1日の回数が多い仕事を先にします。回数が多いほど、直した記録がはやく貯まります。

社員が注文書や届け先をAIに入れるようになるので、使い方の決まりも合わせて作ります。最初に決める項目は生成AIの社内ルールのサンプルで紹介しています。

開発会社に相談する前に、物流の現場で書き出しておくこと

開発会社に頼む前に、任せる仕事・確かめる担当者・つなぐ仕組み・作ったものを直せる権利を決めておくと、見積りを同じ条件で比べられます。ここが決まっていないと、各社が違う範囲で金額を出します。

配車のきまりを書き出さずにAIへ任せるのはNG

起きること: AIの案が荷主との約束や道の条件に合わず、配車係が毎回ほとんど作り直すことになります。
原因: ベテランが覚えているきまりが、AIに渡されていないためです。
避け方: 荷主ごとの条件と車両の制約を表に書き出してから試作します。

先に決めておく項目と、決めると何が変わるかをまとめます。

決めておくこと 決めると何が変わるか
任せる仕事と1日の回数 作る範囲と毎月の利用料が読める
下書きを確かめる担当者 社内に残る手間が分かる
AIに渡してよい情報 届け先や荷主の情報の扱いが決まる
つなぐ仕組み(配車表・在庫表・運行管理) つなぎ込みの作業量が分かる
作ったものを直せる権利 別の会社にも手直しを頼める

2022年から2025年まで、私はAI・システム開発会社2社の代表取締役として、開発の事業を運営しました。開発会社の側で契約書を読むとき、契約に書いていないことは作った側に残るものとして読んでいました。頼む側は、改修できる権利を契約に書いてもらってください。

費用の内訳の見方はAIエージェントの費用はいくら?で説明しています。

複数社の見積りを並べるときはシステム開発の見積もりの比べ方も参考になります。

工場の検査や見積など、ものづくりの現場のAIは製造業のAI導入事例は?にまとめています。

私は2003年にHP制作会社を創業し、事業の経営を23年続けてきました。少人数の会社では、1人が抱える事務の手間が、そのまま売上の上限になると感じています。

今日できる一歩は、配車・受注・在庫・荷受けのうち、いちばん電話や手入力が多い仕事の1日の回数を数えることです。回数が分かれば、AIに任せる仕事の候補が1つに絞れます。頼める範囲はAIエージェント開発のサービスにまとめています。

自社で使えるか、相談する →配車や受注でいちばん手間のかかっている仕事をうかがい、AIに任せられるところと費用・期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

よくある質問

社内にITの担当がいない運送会社でも、AIを導入できますか?

できます。社内で決めるのは、任せる仕事と結果を確かめる担当者です。仕組みづくりと保守は開発会社に任せられます。

開発会社に頼むと、どこまでしてもらえますか?

任せる仕事の選定、配車表や在庫表の整理、試作、今の運行管理や在庫の仕組みとのつなぎ込み、運用後の手直しまで頼めます。

自社でできることと、頼むことの分け方は?

配車のきまりや荷主ごとの約束を書き出すのは社内の仕事です。それをAIに読ませ、表やシステムにつなぐ作業を頼みます。

効果はどのくらいで見えてきますか?

試作で担当者が直した件数を毎日記録すると、直しの少ない仕事が分かり、任せられる範囲が数字で見えてきます。

物流でAIの導入が向かないのは、どんな場合ですか?

配車や荷受けのきまりが担当者の頭の中にしか無い場合です。先にきまりを書き出してから試すほうが確実です。

まとめ: 物流のAI導入は「回数の多い1つの仕事」から

物流のAI導入事例は、配車計画・受注の入力・在庫とピッキング・荷待ちの予約受付の4つの仕事に集まります。注文を読んで受注表に入れ、配車の案まで作るような、手順をつなぐ仕事にはAIエージェントが合います。

回数の多い仕事を1つ選び、直した記録を毎月AIに返して、任せる範囲を広げる。この順番なら、トラックも倉庫も止めずに事務の手間を減らせます。ほかの記事はAIエージェントの記事一覧にまとめています。

この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「物流でAI導入はどこから?配車・在庫・荷待ちの事例」2026年10月16日公開、https://conflux-partners.jp/journal/logistics-ai-case-studies

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