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問い合わせ対応の自動化はどこまでできる?AIに任せる4段階と始め方

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

高い場所から見た夜のマンハッタン。大通りを光の筋が網の目のように流れている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

問い合わせ対応の自動化は、AIが回答の下書きを作り、人が確かめてから送る形で始めるのが確実です。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名の会社で、メールやフォームの問い合わせ対応に時間を取られている経営者・事業責任者向けです

※ 2026年10月時点の情報です

AI エージェントの記事の全体は、AI エージェントの記事の一覧にまとめています。

このページの内容10 章
  1. 01問い合わせ対応の自動化でAIに任せられるのはどこまでか
  2. 02自動化の方法は3つ:よくある質問ページ・チャットボット・AIエージェント
  3. 03どの問い合わせから自動化すると効果が出るか
  4. 04AIに答えさせる前にそろえる資料と決まりは何か
  5. 05小さく始めて任せる範囲を広げる進め方
  6. 06個人情報と誤った回答はどう扱えばよいか
  7. 07問い合わせ対応の自動化にかかる費用の考え方
  8. 08自動化を頼む前に先に決めておくとよいこと
  9. 09よくある質問
  10. 10まとめ: 問い合わせ対応の自動化は「下書き」から始める

いきなり全件をAIに自動で返させると、間違った答えがそのままお客様に届きます。この記事では、自動化の3つの方法の違いと、任せる範囲を段階的に広げる手順を説明します。

※ AIの料金は2026年10月11日にAnthropic公式の料金表で確かめた値です。

問い合わせ対応の自動化でAIに任せられるのはどこまでか

AIに任せられるのは、資料に答えがある問い合わせの下書きと、種類分け・担当者への振り分けです。値引きの判断やクレームの最終回答のように、会社としての判断が要る返答は人が受け持ちます。

問い合わせ対応の自動化とは、届いた問い合わせを読み取り、種類分け・回答の下書き・送信・記録の一部を仕組みに任せることです。全部を任せる必要はなく、どの工程を任せるかを会社が選びます。

問い合わせ対応の仕事は、次の4つの工程に分けられます。

工程 中身 AIに任せやすさ
読み取り・種類分け 内容を読み、質問・見積り依頼・苦情などに分ける 任せやすい
調べる マニュアル・料金表・過去の回答から答えを探す 任せやすい
回答を書く お客様に送る文を作る 下書きなら任せやすい
判断して送る 例外の扱いを決め、会社として返事をする 人が受け持つ

4つの工程のうち、時間がかかっているのは「調べる」と「回答を書く」であることが多いです。この2つを下書きとしてAIに任せるだけでも、担当者は読んで直して送る仕事に集中できます。

私は2022年から2025年まで、AI・システム開発会社2社の代表取締役を務めました。その立場で見ると、問い合わせの自動化はどの工程まで任せるかの線引きで、作る量と効果がほぼ決まります。

自動化の方法は3つ:よくある質問ページ・チャットボット・AIエージェント

問い合わせ対応の自動化には、よくある質問ページ・既製のチャットボット・AIエージェントの3つの方法があります。問い合わせの種類が少なく答えが決まっているほど、作る手間の小さい方法で足ります。

問い合わせ対応を自動化する3つの方法を、よくある質問ページ・既製のチャットボット・AIエージェントに分けた図
方法 動き方 作る手間 向いている問い合わせ
よくある質問ページ お客様が自分で答えを探す 小さい 営業時間・送料など答えが1つのもの
既製のチャットボット 登録した質問と答えを返す 中くらい 言い方は違っても答えが同じもの
AIエージェント 資料を調べて下書きし、管理表やメールまでつなぐ 大きい 件数が多く、資料を見ないと答えられないもの

判断の分かれ目は次のとおりです。

  • 答えが1つに決まる質問が中心なら、よくある質問ページを整えるところから始めます
  • 同じ答えを返す質問が多いなら、既製のチャットボットで足りるかを試します
  • 資料を調べて答える問い合わせが毎日届くなら、AIエージェントを作る段階です

AIエージェントとは、指示を受けたAIが社内の資料を調べたり別のシステムに入力したりしながら、決められた仕事を順番に進める仕組みです。1回答えて終わるチャットと違い、複数の手順をつなぎます。

3つの方法は組み合わせて使えます。よくある質問ページで減らせる分を先に減らし、残った問い合わせだけをAIエージェントに任せると、作る範囲が小さくなります。

どの問い合わせから自動化すると効果が出るか

件数が多い種類のうち、答えが資料にあり、個人情報を見ずに答えられる問い合わせから自動化すると効果が出ます。「資料にあるか」「個人情報を見ずに答えられるか」「答えが毎回同じか」の3つを順に当てはめると、自動で返してよい種類が絞り込めます。

届いた問い合わせを、答えが資料にあるか・個人情報を見ずに答えられるか・答えが毎回同じかで絞り込む図

絞り込みは次の順に進めます。

  1. 届いた問い合わせ全件を、種類ごとに数える
  2. 答えが資料に書いてある種類を選ぶ(ここから下書きを任せられる)
  3. その中で、個人情報を見ずに答えられる種類を選ぶ(人の確認を減らせる)
  4. その中で、答えが毎回同じ種類を選ぶ(自動で返す候補になる)

最後まで残る種類は多くありません。それで問題ありません。下書きを任せる範囲と、自動で返す範囲は分けて考えます。下書きだけでも、調べて書く時間は減らせます。

反対に、注文の取り消しや返金のように、お客様ごとの状況を見て決める問い合わせは後回しにします。こうした問い合わせは、AIには種類分けと担当者への振り分けだけを任せます。

AIに答えさせる前にそろえる資料と決まりは何か

AIに答えさせる前に、回答のもとになる資料と、答えてはいけないことの決まりをそろえます。AIは渡された資料の範囲でしか正しく答えられないため、資料の欠けがそのまま回答の欠けになります。

そろえておくとよいものを表にまとめます。

そろえるもの 中身 無いと起きること
回答のもとになる資料 マニュアル・料金表・規約・過去の回答例 AIが一般論で答える
答えてはいけないことの一覧 値引き・納期の約束・法律の判断など AIが約束してしまう
人に回す条件 苦情・解約・個人情報の確認が要るもの 判断が要る返事を下書きのまま送る
言葉づかいの見本 会社としての書き方の例文 担当者ごとに直す量が増える

過去の回答例は特に役に立ちます。担当者が実際に送ったメールには、マニュアルに書かれていない言い回しや例外の扱いが残っているからです。

社員がAIに問い合わせの内容を入れるようになるため、使い方の決まりも合わせて作ります。最初に決める項目は生成AIの社内ルールのサンプルで紹介しています。

小さく始めて任せる範囲を広げる進め方

問い合わせ対応の自動化は、下書きだけを任せて人が全件読む段階から始め、直しが無い種類から自動で返す範囲を広げます。最初から自動で返すより、作り直しが少なく済みます。

問い合わせ対応を準備・試作・運用・拡大の4つの段階で小さく自動化する流れの図

進め方は次の4つの段階です。

  1. 種類と件数を数える: 1か月分の問い合わせを種類ごとに分けます
  2. 下書きだけ任せる: AIが作った回答を、人が全件読んでから送ります
  3. 直した理由を記録する: 直した件数と理由を残し、資料とAIへの指示を直します
  4. 自動で返す種類を決める: 直しがほとんど無い種類から、人の確認を外します

私たちは、記事づくりの7工程を毎日自動で進める「AIO(SEO)対策エージェント」を開発しました。シフトを自動で作る「ラクシフトAI」(株式会社モチクロと共同開発)とあわせて、セブンセンシズ株式会社が提供しています。

開発で決めていたのは、進める仕組みと止める仕組みを一組で作ることです。AIO(SEO)対策エージェントでは、品質の基準に届かない記事は公開の手前で自動で止まります。問い合わせ対応でも同じで、決まった条件に当たる回答は送らずに人へ回す仕組みがあると、人の確認を少しずつ外していけます。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

個人情報と誤った回答はどう扱えばよいか

個人情報は「AIに入れてよいか」を先に決め、誤った回答は「お客様に届く前に止める」形で扱います。問い合わせには名前・住所・注文番号が含まれるため、この2つを決めないまま動かすことはできません。

個人情報保護委員会は、2023年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表しました。注意喚起の本文は、事業者に次の2点を求めています。

  • 個人情報を入力するときは、決めた利用目的に必要な範囲かを十分に確かめる
  • 本人の同意なく個人データを入れる場合は、AIの提供事業者が機械学習に使わないことなどを十分に確かめる

問い合わせ対応に当てはめると、使うAIの契約で「入力した内容を学習に使うか」を確かめることになります。そのうえで、AIに渡すのは回答に要る項目だけに絞ります。

誤った回答への備えは、段階ごとに変えます。

段階 誤りへの備え
下書きを任せる段階 人が全件読むので、送る前に直せる
一部を自動で返す段階 答えが毎回同じ種類だけにし、資料に無い質問は人へ回す
返したあと 送った回答を記録し、週に1回まとめて読み返す

資料に答えが無い質問は、AIに答えさせず人へ回すと決めておくのが要です。AIは答えが見つからないときも、それらしい文を書いてしまうことがあるからです。

自社で使えるか、相談する →いまの問い合わせの流れをうかがい、AI エージェントで楽にできるところと、費用・期間の目安をお伝えします。全国オンラインで対応します。

問い合わせ対応の自動化にかかる費用の考え方

費用は、作る費用・毎月のAI利用料と保守・人が確かめる時間の3つで決まり、AI利用料は件数から試算できます。問い合わせ1件の下書きなら、中くらいのモデルで1件約0.02ドルの計算になります。

Anthropic公式の料金表では、2026年10月11日時点で Sonnet 5.5 の単価は100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルです。トークンはAIが文章を読み書きする単位で、文字数とは一致しません。

1件で資料を5,000トークン読ませ、回答を1,000トークン書かせる場合で計算します。入力は0.01ドル、出力は0.01ドルで、1件0.02ドルです。月1,000件なら20ドルになります。円での支払額は為替で変わります。

利用料より大きくなりやすいのは、作る費用と人が確かめる時間です。内訳の読み方はAIエージェントの費用はいくら?で詳しく説明しています。

メールや顧客管理の仕組みとつなぐ部分が大きいときは、業務システム開発の費用は何で決まる?も参考になります。

生成AIを使う会社は増えています。総務省の令和8年版 情報通信白書によると、2025年度の調査で生成AIを活用する方針の企業は日本全体で68.9%でした。中小企業では58.1%で、前年度の調査(全体49.7%)から上がっています。

自動化を頼む前に先に決めておくとよいこと

開発会社に頼む前に、任せる問い合わせの種類・人に回す条件・確かめる担当者の3つを決めておくと、見積りを同じ前提で比べられます。この3つが決まっていないと、各社が違う範囲で金額を出します。

最初から全件を自動で返すのはNG

起きること: 資料に答えが無い質問にも、AIがそれらしい回答を返し、お客様に誤った案内が届きます。
原因: 下書きの段階を飛ばし、直しが要る種類を確かめないまま自動で返す範囲を決めているためです。
避け方: 人が全件読む段階で直した理由を記録し、直しが無い種類だけを自動で返します。

先に決めておく項目と、決めると何が変わるかをまとめます。

決めておくこと 決めると何が変わるか
任せる問い合わせの種類と件数 作る範囲と毎月の利用料が読める
人に回す条件 判断の要る返事が自動で出ない
確かめる担当者と時間 社内の手間を費用として数えられる
AIに渡してよい情報 個人情報の扱いと契約するAIが決まる
作ったものを直せる権利 別の会社にも手直しを頼める

5つ目の権利は契約で決める項目です。私は開発会社の側で契約書を読むとき、契約に書いていないことは作った側に残る前提で読んでいました。頼む側も、改修できる権利を契約に書いてもらってください。

今日できる一歩は、直近1か月の問い合わせを種類ごとに数えることです。種類と件数が分かれば、どこまでを下書きに任せ、どこからを人が受け持つかの線を引けます。依頼できる範囲はAIエージェント開発のサービスにまとめています。

自社で使えるか、相談する →問い合わせの種類と件数をうかがい、自動化できるところと費用・期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

よくある質問

社内にITに詳しい人がいなくても、問い合わせ対応を自動化できますか?

できます。社内で決めるのは、答えてよい範囲と確かめる担当者です。仕組みづくりと保守は開発会社に任せられます。

開発を頼むと、どこまでしてもらえますか?

問い合わせの種類分け、AIに読ませる資料の整理、試作、メールや管理表とのつなぎ込み、運用後の手直しまで頼めます。

効果はどのくらいで見えてきますか?

下書きを任せて人が直した件数を記録し始めると、直しが少ない種類が分かり、任せられる範囲が数字で見えてきます。

問い合わせ対応の自動化が向かないのは、どんな場合ですか?

問い合わせが月に数件しかない場合や、毎回の答えが担当者の判断で変わる場合です。手順を整えて人が回すほうが安く済みます。

AIが間違った答えを返したら、どうなりますか?

人が確かめてから送る段階では、お客様に届く前に直せます。自動で返すのは、答えが毎回同じ種類に限ると安全です。

まとめ: 問い合わせ対応の自動化は「下書き」から始める

問い合わせ対応の自動化は、AIが下書きを作り、人が確かめて送る形から始めます。方法はよくある質問ページ・既製のチャットボット・AIエージェントの3つで、資料を調べて答える問い合わせが多いほどAIエージェントが合います。

直した理由を記録し、直しが無い種類から自動で返す範囲を広げる。この順番なら、誤った案内を出さずに担当者の時間を減らせます。ほかのAIエージェントの記事はAIエージェントの記事一覧にまとめています。

この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「問い合わせ対応の自動化はどこまでできる?AIに任せる4段階と始め方」2026年10月11日公開、https://conflux-partners.jp/journal/inquiry-response-automation

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