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03 ・ システム開発

コールセンターのAI導入は何から始める?少人数の電話窓口で進める4段階

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

真昼のマンハッタンの大通り。右手に鉄骨の高層ビルが建設されている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

コールセンターのAI導入は、通話の文字起こしと要約を顧客台帳に残すところから始めるのが確実です。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名の会社で、電話の受付やお客様窓口の手間を減らしたい経営者・事業責任者向けです

※ 2026年10月時点の情報です

システム開発の記事の全体は、システム開発の記事の一覧にまとめています。

このページの内容10 章
  1. 01コールセンターのAI導入でできることは何か
  2. 02コールセンターで使うAIは3種類:文字起こし・応対支援・自動音声応答
  3. 03少人数の電話窓口はどのAIから入れるべきか
  4. 04電話の仕組みや顧客台帳とどうつなぐか
  5. 05コールセンターのAI導入を進める4つの段階
  6. 06通話の録音と個人情報で先に決めておくこと
  7. 07コールセンターのAI導入にかかる費用と期間の考え方
  8. 08開発会社に頼む前に決めておくとよいこと
  9. 09よくある質問
  10. 10まとめ: コールセンターのAI導入は「通話の記録」から始める

電話に出る人はそのままにして、通話のあとの記録づくりをAIに任せます。最初から電話をAIに受けさせるより、作る範囲が小さく、お客様への影響も出にくい進め方です。

※ 統計の数字は2026年10月19日に総務省の公式ページで確かめた値です。

コールセンターのAI導入でできることは何か

コールセンターでAIに任せられるのは、通話の記録づくり・応対中の調べもの・最初の受付の3つです。値引きや返金のように会社としての判断が要る返事は、人が受け持ちます。

コールセンターのAI導入とは、電話の受付・応対・記録の一部をAIに任せ、電話を受ける人の手間を減らすことです。専用の窓口がない会社の電話受付も対象になります。

電話の仕事は、次の4つの工程に分けられます。

工程 中身 AIに任せやすさ
受ける 電話に出て、用件を聞き取る 用件の聞き分けなら任せられる
調べる 料金表・マニュアル・過去の対応を探す 任せやすい
答える お客様に説明し、判断を伝える 人が受け持つ
記録する 通話の内容を顧客台帳に書く 最も任せやすい

少人数の窓口で時間を取られやすいのは、通話のあとの「記録する」工程です。1本の電話を切ったあと、内容を思い出して台帳に打ち込む時間が毎回かかります。

この工程をAIに任せると、電話を受ける人は話すことと判断することに集中できます。

コールセンターで使うAIは3種類:文字起こし・応対支援・自動音声応答

コールセンターのAIは、通話のあとに働く文字起こし・要約、通話中に働く応対支援、人が出る前に働く自動音声応答の3種類です。動く場面が違うため、減らせる仕事も違います。

コールセンターで使うAIを、文字起こし・要約、応対支援、自動音声応答の3種類に分けて比べた表の図

3種類の違いを表にまとめます。

種類 動くとき 減る仕事 始めやすさ
文字起こし・要約 通話のあと 応対記録の入力 始めやすい
応対支援 通話の最中 資料を調べる時間 資料の整理が要る
自動音声応答 人が出る前 最初の受付 作り込みが要る

自動音声応答は、AIが電話に出て用件を聞き、答えるか担当者へ回す仕組みです。お客様が最初に話す相手がAIになるため、聞き違えたときの影響が最も大きくなります。

応対支援は、通話の内容を聞き取りながら、答えの候補や資料を画面に出す仕組みです。答えるのは人なので、候補が外れても人が気づけます。

少人数の電話窓口はどのAIから入れるべきか

電話を受ける人が数名の会社は、文字起こし・要約から入れると、お客様への影響を出さずに時間を減らせます。応対支援と自動音声応答は、通話の記録がたまってから足すほうが作りやすくなります。

判断の分かれ目は次のとおりです。

  • 応対記録の入力に時間がかかっているなら、文字起こし・要約から始めます
  • 同じ質問の電話が毎日続くなら、応対支援で答えの候補を出します
  • 営業時間外の電話や、用件の聞き分けだけの電話が多いなら、自動音声応答を検討します

反対に、電話が1日に数件しかない会社は、AIを入れる前に受付の手順を整えるほうが先です。仕組みを作る費用に対して、減る時間が小さくなるからです。

順番には理由があります。文字起こしで通話の記録がたまると、どんな質問が何件来ているかが分かります。その記録が、応対支援に読ませる資料や、自動音声応答で受ける用件を決める材料になります。

電話の仕組みや顧客台帳とどうつなぐか

コールセンターのAIは、電話の仕組みから録音を受け取り、要約を顧客台帳に書き込むところまでつないで初めて手間が減ります。AIの画面で要約を読み、台帳に貼り直す運用では、入力の手間が残ります。

コールセンターのAIを、電話の仕組み・顧客台帳・社内の資料・管理表とつなぐ分け方の図

つなぐ先は、多くの場合次の4つです。

つなぐ先 何をやりとりするか
電話の仕組み 通話の録音や、話している内容を受け取る
顧客台帳 要約と次の対応を、お客様ごとに書き込む
社内の資料 料金表・マニュアルから回答の候補を探す
管理表 用件の種類と件数を集計する

この4つのつなぎ込みが、コールセンターのAI導入で開発の手間が最もかかる部分です。使っている電話の仕組みや顧客台帳が、外の仕組みとつなげる口を持っているかで、作る量が変わります。

顧客台帳をExcelで管理している会社は、つなぐ前に台帳を業務システムに移すかを一緒に決めます。費用の決まり方は業務システム開発の費用は何で決まる?で説明しています。

私は2022年から2025年まで、AI・システム開発会社2社の代表取締役を務めました。開発会社の立場で見ると、AIの性能よりいまの電話と台帳がどうつながるかのほうが、期間と費用を大きく左右します。

コールセンターのAI導入を進める4つの段階

コールセンターのAI導入は、通話を数える・要約を試す・台帳に書き込む・応対支援を足すの4段階で進めます。各段階で人が確かめる工程を残し、直す量が減ってから次へ進みます。

コールセンターのAI導入を準備・試作・つなぎ込み・拡大の4つの段階で進める流れの図

4つの段階の中身は次のとおりです。

  1. 通話の種類と件数を数える: 1か月分の電話を、用件ごとに分けて数えます
  2. 文字起こしと要約を試す: 録音の一部でAIに要約させ、人が読んで直します
  3. 顧客台帳に書き込む: 直す量が減ったら台帳とつなぎ、手入力をやめます
  4. 応対支援や自動応答を足す: 件数の多い用件から、通話中の候補や自動応答を加えます

2段階目では、要約を直した件数と理由を記録します。言い間違えやすい商品名や、要約から落ちやすい項目が分かり、AIへの指示を直す材料になります。

3段階目に進む目安は、人が読むだけで直さずに済む要約が増えたときです。直す量が多いうちは、台帳とつながずに試作を続けます。

私たちは、記事づくりの7工程を毎日自動で進める「AIO(SEO)対策エージェント」を開発しました。シフトを自動で作る「ラクシフトAI」(株式会社モチクロと共同開発)とあわせて、セブンセンシズ株式会社が提供しています。

開発で決めていたのは、進める仕組みと止める仕組みを一組で作ることです。AIO(SEO)対策エージェントでは、品質の基準に届かない記事は公開の手前で自動で止まります。コールセンターでも、聞き取れなかった通話は台帳に書き込まず人へ回す仕組みを作っておくと、確認を少しずつ外せます。

自社で使えるか、相談する →いまの電話受付の流れと、使っている電話・顧客台帳の仕組みをうかがい、AIでつなげるところと費用・期間の目安をお伝えします。全国オンラインで対応します。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

通話の録音と個人情報で先に決めておくこと

通話には名前・住所・注文の内容が含まれるため、録音をAIに渡してよい範囲と、入力した内容を学習に使わない契約かを先に決めます。この2つが決まらないまま動かすことはできません。

先に決めておく項目を表にまとめます。

決めておくこと 中身
録音を伝える方法 通話の冒頭で録音していることを案内するか
AIに渡す範囲 要約に要る通話だけを渡すか、全件を渡すか
AIの契約 入力した内容を、AIの会社が学習に使うか
保存する期間 録音と文字起こしを、いつ消すか

AIの契約は、使うサービスの利用規約や法人向けの契約で確かめます。法律上の個別の判断が要るときは、弁護士に確かめてください。

AIを仕事で使うときの考え方は、国も示しています。総務省は「AI事業者ガイドライン」の第1.2版を、令和8年3月31日に総務省の掲載ページで公表しました。社内の決まりを作るときの下敷きになります。

決める順番は、AIの契約が先です。学習に使われない契約を選んでから、渡す範囲と保存する期間を決めます。順番が逆になると、決めた範囲がAIの契約で守れないことがあります。

社員がAIに通話の内容を入れるようになるため、使い方の決まりも合わせて作ります。最初に決める項目は生成AIの社内ルールのサンプルで紹介しています。

コールセンターのAI導入にかかる費用と期間の考え方

費用は、つなぎ込みを作る費用・毎月のAI利用料と保守・人が確かめる時間の3つで決まります。中でも大きくなりやすいのは、電話の仕組みと顧客台帳をつなぐ開発の費用です。

費用の3つの中身は次のとおりです。

費用 決まり方
作る費用 つなぐ先の数と、いまの仕組みにつなぐ口があるか
毎月の利用料と保守 通話の件数と長さ、直す頻度
人が確かめる時間 要約を読む件数と、確認を外せた割合

期間も、つなぐ先の数で変わります。文字起こしと要約を録音の一部で試すだけなら、台帳とつなぐ前に結果を見られます。見積りの内訳の読み方はAIエージェントの費用はいくら?で詳しく説明しています。

生成AIを使う会社は増えています。総務省の令和8年版 情報通信白書によると、2025年度の調査で生成AIを活用する方針の企業は日本全体で68.9%でした。中小企業では58.1%で、前年度の調査(全体49.7%)から上がっています。

開発会社に頼む前に決めておくとよいこと

開発会社に頼む前に、AIに任せる通話の種類・使っている電話と台帳の仕組み・確かめる担当者の3つを決めると、見積りを同じ前提で比べられます。決まっていないと、各社が違う範囲で金額を出します。

最初から自動音声応答で全件を受けるのはNG

起きること: 聞き違えた用件のまま案内が進み、お客様が担当者にたどり着けなくなります。
原因: どんな用件が何件来るかを数えないまま、AIが受ける範囲を決めているためです。
避け方: 文字起こしで通話の種類と件数を数えてから、件数の多い用件だけを自動で受けます。

決めておく項目と、決めると何が変わるかをまとめます。

決めておくこと 決めると何が変わるか
AIに任せる通話の種類と件数 作る範囲と毎月の利用料が読める
使っている電話と台帳の仕組み つなぎ込みの量が見積れる
確かめる担当者と時間 社内の手間を費用として数えられる
作ったものを直せる権利 別の会社にも手直しを頼める

4つ目の権利は契約で決める項目です。私は開発会社の側で契約書を読むとき、契約に書いていないことは作った側に残る前提で読んでいました。頼む側も、改修できる権利を契約に書いてもらってください。

複数の会社から見積りを取るときの比べ方は、システム開発の見積もりの比べ方にまとめています。

メールやフォームの問い合わせも合わせて減らしたい場合は、問い合わせ対応の自動化の進め方が参考になります。

今日できる一歩は、直近1か月の電話を用件ごとに数えることです。用件と件数が分かれば、どの通話から記録をAIに任せるかの線を引けます。依頼できる範囲はシステム開発のサービスにまとめています。

自社で使えるか、相談する →電話の用件と件数、使っている仕組みをうかがい、AIで減らせる手間と費用・期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

よくある質問

社内にITに詳しい人がいなくても、コールセンターにAIを導入できますか?

できます。社内で決めるのは、AIに任せる通話の種類と確かめる担当者です。電話の仕組みとのつなぎ込みは開発会社に任せられます。

開発会社に頼むと、どこまでしてもらえますか?

通話の種類分け、使うAIの選定、試作、電話の仕組みや顧客台帳とのつなぎ込み、運用後の手直しまで頼めます。

小さく試してから本格的に始められますか?

始められます。録音した通話の一部で文字起こしと要約を試し、直す量を確かめてから台帳へのつなぎ込みに進みます。

効果はどのくらいで見えてきますか?

要約を人が直した件数と、応対記録にかかる時間を試作の期間に記録すると、減った時間を数字で比べられます。

コールセンターのAI導入が向かないのは、どんな場合ですか?

電話が1日に数件しかない場合や、通話のほとんどが担当者の判断を要する相談の場合です。手順を整えるほうが先です。

まとめ: コールセンターのAI導入は「通話の記録」から始める

コールセンターのAIは、文字起こし・要約、応対支援、自動音声応答の3種類です。少人数の電話窓口では、お客様への影響が出にくい文字起こし・要約から始めます。

要約を顧客台帳に書き込むところまでつなぎ、直す量が減ってから応対支援や自動応答を足す。この順番なら、電話を受ける人を減らさずに記録の時間を減らせます。ほかのシステム開発の記事はシステム開発の記事一覧にまとめています。

この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「コールセンターのAI導入は何から始める?少人数の電話窓口で進める4段階」2026年10月19日公開、https://conflux-partners.jp/journal/callcenter-ai-introduction

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