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03 ・ システム開発

システム開発の内製と外注は4つの条件で決める|IT担当不在の会社向け

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

真昼のマンハッタンの大通り。右手に鉄骨の高層ビルが建設されている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

システム開発を内製するか外注するかは、業務が一般的か・社内にエンジニアがいるか・改修が多いか・決める窓口がいるかの4つの条件で決まります。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名の会社で、システムを社内で作るか外に頼むかを決めたい経営者・事業責任者向けです

※ 2026年10月時点の情報です

システム開発の記事の全体は、システム開発の記事の一覧にまとめています。

このページの内容9 章
  1. 01システム開発の内製と外注を分ける4つの条件
  2. 02内製が向くのは社内にエンジニアがいて改修が多い会社
  3. 03外注が向くのは独自の業務があり社内に作り手がいない会社
  4. 04業務が一般的なら内製も外注もせず既製サービスを使う
  5. 05外注から内製へ移すなら最初の契約で受け取るものを決める
  6. 06内製でも外注でも先に決めておくとよいこと
  7. 07内製か外注か今日決めること
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ: 内製か外注かは社内に誰がいるかで決める

IT 担当がいない会社なら、内製ではなく外注か既製サービスを選ぶのが現実的です。この記事では、4つの条件の見方と、外注から内製へ移すときに先に決めることを説明します。

この記事でわかること
  • 内製と外注を分ける4つの条件
  • 内製・外注・既製サービスがそれぞれ向く会社
  • 外注から内製へ移すときに受け取るもの
  • 今日決めておくこと

※ 当社の数字は2026年10月時点の自社実績です。

システム開発の内製と外注を分ける4つの条件

システム開発の内製と外注は、業務・人・改修の頻度・社内の窓口の4つの条件を順に確かめると決まります。どちらが安いかを先に比べると、作った後の手間が抜けてしまいます。

業務のシステム化を既製サービス・外注・内製の3つに分けた図

システム開発の内製とは、社内のエンジニアがシステムを設計・開発・保守することです。外注とは、その作業を社外の開発会社に頼むことです。

4つの条件と、当てはまるときに向く作り方を表にまとめます。

確かめる条件 当てはまるとき 当てはまらないとき
1. 業務が自社独自か 外注か内製 既製サービス
2. 社内にエンジニアがいるか 内製も選べる 外注
3. 改修が月1回以上あるか 内製が向く 外注で足りる
4. 社内に決める窓口がいるか 外注・内製とも進む 窓口を決めてから始める

4の窓口が決まっていれば、1から順に確かめると途中で答えが出ます。1で「一般的な業務」なら、2から先を見ずに既製サービスへ進めます。

当社調べでは2026年10月に、3つのAI(ChatGPT・Claude・Gemini)へ「システム開発 内製 外注について教えてください」と質問しました。3件の答えのすべてに『エンジニア』『独自』の語が出てきました。

私は2003年に HP 制作会社を創業し、事業の経営を23年続けてきました。2022年から2025年までは、AI・システム開発会社2社の代表取締役も務めました。頼む側と作る側の両方の立場から見ると、内製か外注かは技術ではなく、社内に誰がいるかで決まります。

内製が向くのは社内にエンジニアがいて改修が多い会社

システム開発の内製が向くのは、社内にエンジニアがいて、業務の変化に合わせた改修が月1回以上ある会社です。この2つがそろうと、見積りを待たずに直せる良さが生きます。

当社が2021年から2026年9月までに内製化を支援した案件は2件です。どちらも、社内にエンジニアがいて改修が多い会社でした。

改修のたびに外注すると、依頼・見積り・発注の往復が毎回起きます。当社が手がけた案件では、仕様変更で追加の見積りになったものが34件ありました(2022年4月〜2026年9月)。その追加額は10万〜180万円で、中央値は約35万円です。

仮に、項目を足す小さな改修が年に12回あるとします。外注なら12回の見積りと発注が要ります。内製なら、社内のエンジニアがその日のうちに直せます。

改修の目安を月1回としたのは当社の判断です。月1回を超えると、見積りの往復が業務の変化に追いつかなくなるためです。

内製を見送ったほうがよい会社

内製を見送ったほうがよいのは、社内にエンジニアがいない会社です。IT 担当がいない会社が内製を選ぶと、作った後に直せる人がいなくなります。

エンジニアが1人だけの会社も、当社の判断では内製の単独には向きません。その1人が休むか辞めると、システムの中身を知る人がいなくなるためです。1人の場合は、外注と組み合わせて、資料を社外にも残す形にしてください。

外注が向くのは独自の業務があり社内に作り手がいない会社

システム開発の外注が向くのは、自社独自の業務の流れがあり、社内に作り手がいない会社です。従業員10〜100名で IT 担当がいない会社の多くは、ここに当てはまります。

外注なら、エンジニアを採用しなくても、業務に合わせたシステムを作れます。当社が2020年から2026年9月までに手がけた代表的な案件(規模ごとに各5件)の開発期間は次のとおりです。

規模 例 開発期間(当社実績)
小規模 予約・管理画面など 1.5〜3か月
中規模 業務システム 4〜8か月

費用は、2022年から2026年9月までの代表的な12件で、中央値が約220万円でした。同じ12件の開発期間の中央値は4か月です。

2025年3月には、卸売の会社(従業員約25名)の受発注の Excel を、Web の受発注システムにしました。入力と転記が月約40時間から約8時間になりました(費用80万〜120万円)。社内にエンジニアがいなくても、外注でここまで作れます。

外注を選ぶときの分かれ道

外注の中でも、何を頼むかは会社の状況で変わります。

  • 作った後も長く同じ会社に任せたいなら、保守の範囲と改修の頼み方を契約で先に決めてください
  • いずれ社内に作り手を置く予定があるなら、内製へ移す前提で資料を受け取る契約にしてください
  • 何を作るかまだ決まっていないなら、1つの業務に絞った試作から頼んでください

外注の費用の相場は、業務システムで80万〜800万円です。SaaS 型の小規模なシステムは80万〜300万円でした(2022年から2026年9月までの当社の代表的な12件)。

同じ調べでは、3件の答えのうち、費用の金額(◯円)に触れた答えは無く、期間(◯か月・◯日など)に触れた答えは無く、専門家への相談に触れた答えは3件中1件でした。費用と期間は、開発会社に直接聞いて確かめてください。

外注先に聞く質問は、次の3つです。

  1. 保守の費用に含まれる対応と、含まれない対応はどれか
  2. ソースコード・設計書・手順書は、納品物に入るか
  3. 内製へ移すとき、著作権の譲渡に第27条・第28条の権利を含められるか

外注で気をつけたい点は、システム開発を外注するデメリット5つで詳しく説明しています。見積りの並べ方は、システム開発の見積もり比較をご覧ください。

自社で使えるか、相談する →いまの業務と社内の体制をうかがい、内製・外注・既製サービスのどれが合うかをお伝えします。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

業務が一般的なら内製も外注もせず既製サービスを使う

勤怠や会計のように多くの会社で同じ流れの業務は、内製も外注もせず、既製のサービスを使うほうが早く安く済みます。作る費用と開発期間がかからないためです。

当社が2021年から2026年9月までに既製の SaaS を勧めた案件は4件あります。どれも、要件が一般的な勤怠・会計だった案件です。相談の時点では「作りたい」というご依頼でしたが、作らない判断をお伝えしました。

既製サービスを先に試すとよいのは、次の場合です。

  • 業務の流れが、同じ業種の他社とほぼ同じ場合
  • 自社の強みが、その業務のやり方には無い場合
  • 使い始めるまでに数か月を待てない場合

既製サービスで8割の業務が回り、残りだけが合わないこともあります。その場合は、合わない部分だけを外注で作り足す形にしてください。全部を作るより費用と期間を抑えられます。

Excel で回している業務をどう移すかは、Excel 業務のシステム化でも説明しています。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

外注から内製へ移すなら最初の契約で受け取るものを決める

外注で作ったシステムを後から内製へ移すなら、ソースコード・設計書・操作の手順書・著作権の譲渡の範囲を、最初の契約で受け取ると決めておきます。後から集めようとすると、調べ直しの手間がかかります。

外注で作る、資料を受け取る、社内で小さく直す、内製へ移すの4段階の流れ

外注から内製へは、開発中に外注で作り、納品時に資料を受け取り、使い始めた後に社内で小さく直し、体制が整った後に内製へ移す順で進めます。

当社が2023年から2025年に引き継いだシステムは6件です。そのうち資料が無かった4件では、調査に合計約25人日(1件あたり4〜9人日)が追加でかかりました。

引き継いだシステムで、給与計算の締め日の処理がどこに書かれているか、資料から分からなかったことがあります。本番のデータで動かしながら確かめるしかありませんでした。資料があれば、引き継いだ人が最初の日から直す場所を探せます。

外注の契約で受け取ると決めるソースコード・設計書・操作の手順書・著作権の譲渡の範囲

受け取るものは、次の4つです。

  1. ソースコード(システムを動かしているプログラムの本体)
  2. 設計書(どの画面が何を記録しているかの説明)
  3. 操作の手順書(社員が日々使うときの手順)
  4. 著作権の譲渡の範囲(改修できる権利を含むか)

2025年4月には、飲食店(5店舗)の予約システムを他社から引き継ぎました。ソースコードの権利が前の開発会社に残っていて、改修できませんでした。権利の譲渡を交渉するより作り直すほうが早いと判断し、3か月で新しく作り直しています。

著作権の書き方は条文で確かめる

著作権法第61条第2項では、翻案などの権利(第27条・第28条の権利)を譲渡の契約で特に書かないと、譲渡した側に残ると推定されます。文化審議会著作権分科会の検討資料も、「全ての著作権を譲渡する」と書くだけでは足りないとしています。

「著作権は全部譲渡」と書くだけで済ませるのはNG

内製へ移して社内で改修するなら、第27条・第28条の権利を含むと契約書に明記してください。

契約書の形は、情報処理推進機構(IPA)の情報システム・モデル取引・契約書(第二版)が参考になります。条文の読み方は、次のように分けて考えてください。

  • いまの開発会社に保守まで長く任せるなら、権利の範囲より、保守の体制と資料の引き渡しを先に確かめてください
  • 内製へ移す・別の会社に改修を頼む予定があるなら、第27条・第28条の権利を含む譲渡を契約の条件にしてください
  • ひな形と違う条文を足す・削るなら、その条文の扱いは弁護士に確認してください

内製でも外注でも先に決めておくとよいこと

内製でも外注でも、社内の窓口・変更の残し方・段階的に出す計画の3つを先に決めておくと、予定どおりに進みやすくなります。作り方を選ぶ前に決められることです。

当社が2022年1月から2026年9月までに手がけた開発案件は約48件です。そのうち予定どおり終わったのは約30件、問題になったのは約7件(遅れ1件・追加費用5件・やり直し1件)でした。

1つ目は、社内の窓口を1人決めることです。内製なら社内のエンジニアと業務の担当者、外注なら開発会社と、決める人がいないと回答が遅れます。

2つ目は、変更を書面で残すことです。2024年2月には、人材サービスの会社(従業員約30名)の勤怠システムで、仕様変更が口頭だけで進み、納品の直前に「言った・言わない」になりました。変更点を一覧にして双方で確かめ直し、納期を1か月延ばして納品しています。以後、変更はすべて書面で残す運用にしました。

3つ目は、機能を段階的に出す計画です。2025年の案件では、納期の問題で、外部 API の仕様変更により連携部分が動かないと2週間前に分かりました。機能を段階的に出す形に切り替え、主要な機能を予定日に公開し、残りを3週間後に納品しました。

最初から段階的に出す計画にしておくと、想定外があっても主要な機能を予定日に使い始められます。内製でも外注でも同じです。

自動化も「進める仕組み」と「止める仕組み」を一組で作る

当社が開発した「AIO(SEO)対策エージェント」は、記事づくりの7工程を毎日自動で進める仕組みです。提供はセブンセンシズ株式会社が行っています。AI で記事の下書きと公開前の採点を自動化した案件では、1本約3時間の作業が約1時間になりました(2025年9月〜11月に測定)。

AIO(SEO)対策エージェントは、品質の基準に届かない記事を自動で止めます。自動化は進める仕組みと止める仕組みを一組で作り、人が確認する工程から段階的に広げています。内製でも外注でも、人が確かめる工程を残した小さな形から始めると、作り直しを減らせます。

内製か外注か今日決めること

内製か外注かを決める最初の一歩は、システムにしたい業務を1つ選び、4つの条件に「はい・いいえ」で答えることです。答えが出れば、次に誰へ相談するかが決まります。

まず、次の4つを確かめてください。

  1. その業務は、同じ業種の他社と流れが違うか
  2. 社内に、プログラムを書けるエンジニアがいるか
  3. その業務のやり方は、月1回以上変わるか
  4. 開発の質問に答えて決める人を、社内で1人決められるか

答えごとの進み方は次のとおりです。

  • 1が「いいえ」なら、既製サービスを探してください。作る必要はありません
  • 1が「はい」で2が「いいえ」なら、外注を選び、資料と権利を受け取る契約にしてください
  • 2と3が「はい」なら、内製を選べます。最初だけ外注で作り、社内へ移す形も選べます
  • 4が「いいえ」なら、どれを選ぶ前でも、先に窓口を決めてください

2つ以上の答えが重なったときは、4の窓口を先に決め、次に1の業務の答えを優先してください。窓口がいないと、どの作り方でも質問への回答が止まるためです。

費用の決まり方は、業務システム開発の費用で説明しています。外へ売るサービスを作るなら、SaaS 開発の費用もご覧ください。

CONFLUX PARTNERS のシステム開発では、要件定義から保守まで、内製へ移すための資料と権利の整理も含めてお手伝いします。

開発をほかの相談とまとめて任せたい場合は、CONFLUX 顧問パッケージもご覧ください。

自社で使えるか、相談する →4つの条件の答えをうかがい、内製・外注・既製サービスのどれから始めるかを一緒に決めます。ご契約を前提としたご案内ではありません。

よくある質問

IT 担当がいない会社でも、システム開発を内製できますか?

当社の判断では向きません。作った後の改修と保守を社内で見る人がいないと、直す手段が無くなるためです。

外注と内製で、使い始めるまでの期間は変わりますか?

外注なら当社の実績で小規模が1.5〜3か月、業務システムが4〜8か月です。内製は採用と育成の期間が加わります。

外注を頼むと、開発会社に何をしてもらえますか?

業務の聞き取り、作る範囲の整理、開発、導入、保守です。内製へ移す前提なら、資料の引き渡しも頼めます。

最初は外注して、あとから内製に切り替えられますか?

できます。ソースコード・設計書・手順書と著作権の譲渡の範囲を、最初の契約で受け取ると決めておいてください。

内製も外注もしないほうがよいのは、どんな場合ですか?

勤怠や会計のように業務が一般的な場合です。既製のサービスで足り、作る費用と期間がかかりません。

まとめ: 内製か外注かは社内に誰がいるかで決める

システム開発の内製と外注は、業務が一般的か・社内にエンジニアがいるか・改修が多いか・決める窓口がいるかの4つの条件で決まります。

IT 担当がいない会社は外注か既製サービスを選び、内製へ移す予定があるなら最初の契約で資料と権利を受け取る。この順で決めると、作った後も使い続けられるシステムになります。ほかの記事はシステム開発の記事一覧にまとめています。

この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「システム開発の内製と外注は4つの条件で決める|IT担当不在の会社向け」2026年10月22日公開、https://conflux-partners.jp/journal/system-development-naisei-gaichu

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