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03 ・ システム開発

ホテルのAI導入事例は?フロント・清掃・食事で任せる5つの仕事

公開:更新:執筆:AI が下書き監修:YW(CONFLUX PARTNERS)

真昼のマンハッタンの大通り。右手に鉄骨の高層ビルが建設されている。
AI で生成したイメージです。

ANSWER ・ 結論

ホテルのAI導入事例は、問い合わせと予約・清掃と客室の状態・食事の人数と発注・シフト・申し送りの5つの仕事に集まります。

対象読者この記事は、IT の専任者がいない従業員10〜100名のホテル・旅館で、フロントや客室の手間をAIやシステムで減らしたい経営者・支配人向けです

※ 2026年10月時点の情報です

システム開発の記事の全体は、システム開発の記事の一覧にまとめています。

このページの内容9 章
  1. 01ホテル・旅館でAIが入る5つの仕事とは?
  2. 02フロントの問い合わせと予約:多言語の質問に答えるAIエージェント
  3. 03清掃と客室の状態:ホワイトボードとExcelを業務システムにする
  4. 04朝食・夕食の人数と発注:予約データから毎日の数を出す
  5. 05シフトと申し送り:少ない人数で回すための仕組み
  6. 06旅館とビジネスホテルで、最初に選ぶ仕事はどう違う?
  7. 07ホテルのAI導入を開発会社に頼む前に決めておくこと
  8. 08よくある質問
  9. 09まとめ: ホテルのAI導入は「回数の多い1つの仕事」から

どれも、AIや小さな業務システムが下書きを作り、フロントや客室係が確かめて使う形から始めます。旅館とビジネスホテルでは、最初に選ぶ仕事が違います。

※ 宿泊の統計は2026年10月17日に観光庁の公開ページで確かめた内容です。

ホテル・旅館でAIが入る5つの仕事とは?

ホテルのAI導入は、フロント・客室・調理場・事務所で毎日くり返す5つの仕事から始まります。ここで紹介するのは特定の施設の成果ではなく、中小の宿で選ばれやすい導入の形です。

ホテルのAI導入とは、問い合わせの返事や客室の割り振りなど、文字と数字を扱う仕事の一部をAIに下書きさせることです。自動チェックイン機やロボットを置くこととは別の話です。

ホテルでAIに任せやすい仕事を、フロント・客室・調理場・事務所の4つの場所に分けた図

5つの仕事と、AIに渡す材料を表にまとめます。

仕事 場所 AIに渡す材料 人が最後に決めること
問い合わせと予約 フロント メール・予約サイトの質問・館内の案内 例外の受け入れ
清掃と客室の状態 客室 チェックアウト予定・清掃の担当表 急ぎの部屋の順番
食事の人数と発注 調理場 予約の人数・食事の有無・アレルギーの記録 献立の変更
シフト 事務所 予約の数・スタッフの希望休 最終の勤務表
申し送り 事務所 日報・フロントのメモ 次の勤務で何を優先するか

観光庁は、宿泊施設の省人化の例として、自動チェックイン機・清掃ロボット・配膳ロボット・AIコンシェルジュを挙げています(観光庁「宿泊施設における省人化事例集」)。機械を置く前に、紙とExcelで回している仕事を見直すほうが、費用は小さく済みます。

フロントの問い合わせと予約:多言語の質問に答えるAIエージェント

フロントでは、メールや予約サイトに届く質問への返事の下書きを、AIエージェントに任せる事例が多くあります。外国語の質問にも、館内の案内をもとに同じ形で下書きを作れます。

AIエージェントとは、指示を受けたAIが資料を読み、表に書き込み、次の作業へ進む仕組みです。1回答えて終わるチャットとは違い、いくつもの手順をつなげます。

観光庁の宿泊旅行統計調査では、2025年の外国人延べ宿泊者数は1億7,992万人泊で、前年より9.4%増えました。全体の6億6,111万人泊のうち、外国人はおよそ27.2%にあたります(出典:観光庁 宿泊旅行統計調査・2025年確定値)。

駐車場・送迎・チェックインの時刻・子どもの料金といった質問は、答えが館内の案内に書いてあります。AIエージェントは質問の言語を見分け、案内から答えを探して下書きを作ります。

フロントの担当者は、下書きを読んで送るか直すかを決めるだけです。答えが案内に無い質問は、下書きを作らずに人へ回す決まりにしておきます。

問い合わせを段階ごとに自動にする進め方は、問い合わせ対応の自動化はどこまでできる?で説明しています。

清掃と客室の状態:ホワイトボードとExcelを業務システムにする

清掃の割り振りと客室の状態は、ホワイトボードやExcelから小さな業務システムに移すと、AIに任せられる仕事に変わります。ここはAIより先に、記録の置き場所を1つにする作業が要ります。

多くの宿では、チェックアウトした部屋・清掃中の部屋・点検の済んだ部屋を、ホワイトボードや表で管理しています。フロントは部屋が使えるかを確かめるたびに、客室係へ電話をかけます。

客室の状態をスマートフォンから入れる仕組みを作ると、フロントも客室係も同じ画面を見られます。そのうえで、AIが当日のチェックアウトと到着予定から清掃の順番と担当の案を出します。

業務システムとは、予約・清掃・発注など、社内の決まった仕事を記録し、次の作業へ渡すための専用の仕組みです。Excelと違い、複数の人が同時に同じ記録を見て書き込めます。

Excelのまま続けるか、システムにするかは、次の目安で分かれます。

  • 客室係が複数いて、電話での確認が毎日続くなら、客室の状態をシステムに移します
  • 客室が少なく、支配人が1人で割り振れているなら、今のExcelを整えるだけで足ります

作る費用の内訳は業務システム開発の費用は何で決まる?にまとめています。

朝食・夕食の人数と発注:予約データから毎日の数を出す

調理場では、予約データから翌日の食事の人数とアレルギーの一覧を出し、食材の発注量の案を作る仕事を任せられます。毎晩、予約表を見ながら手で数えている宿ほど手間が減ります。

食事の人数は、予約の仕組みにある「朝食あり」「2食付き」といった内容から数えられます。AIは人数に加えて、予約時の備考欄に書かれたアレルギーや苦手な食材を読み取り、一覧にします。

備考欄の書き方は、予約サイトやお客様ごとにばらばらです。読み取れなかった備考は一覧の先頭に出し、担当者が確かめる形にしておくと、見落としを防げます。

発注は、人数と献立から食材の量の案を出し、調理長が直して決めます。AIに任せるのは計算と下書きで、献立と仕入れ先の判断は人に残します。

顧問パッケージの内容と料金を見る →ここまでの内容が自社に当てはまるか、確認しませんか。要件の確認だけでもご利用いただけます

シフトと申し送り:少ない人数で回すための仕組み

シフトづくりと勤務の間の申し送りは、予約の数とスタッフの記録をもとに、AIが下書きを作れる仕事です。どちらも支配人が毎日、時間を取られている作業です。

私たちは、シフトを自動で作る「ラクシフトAI」を株式会社モチクロと共同開発し、セブンセンシズ株式会社が提供しています。予約の多い日に人を厚くするといった決まりを書き出せば、勤務表の下書きはAIに任せられます。

申し送りでは、フロントのメモや日報をAIが読み、次の勤務の人に向けて要点を短くまとめます。「到着が遅れる予約」「忘れ物の問い合わせ」のように、次の勤務で動く必要がある内容を先頭に並べます。

宿泊客の名前や連絡先をAIに渡すときは、渡してよい情報の範囲を先に決めておきます。最初に決める項目は生成AIの社内ルールのサンプルで紹介しています。

自社で使えるか、相談する →フロント・客室・調理場のうち、どの仕事に時間がかかっているかをうかがい、AIやシステムで楽にできるところと、費用・期間の目安をお伝えします。全国オンラインで対応します。

旅館とビジネスホテルで、最初に選ぶ仕事はどう違う?

ビジネスホテルは清掃の割り振りから、旅館は食事の人数と問い合わせから始めると、効果を確かめやすくなります。施設の型によって、毎日いちばん回数の多い仕事が違うためです。

2025年の客室稼働率を、旅館・リゾートホテル・シティホテル・ビジネスホテルの4つの施設タイプで比べた棒グラフ

観光庁の宿泊旅行統計調査(2025年年間値・確定値)による、施設タイプ別の客室稼働率は次のとおりです。

施設タイプ 客室稼働率(2025年)
旅館 38.2%
リゾートホテル 56.9%
シティホテル 74.1%
ビジネスホテル 75.3%
上の表の『客室稼働率(2025年)』をグラフにしたもの旅館38.2%リゾートホテル56.9%シティホテル74.1%ビジネスホテル75.3%
上の表の『客室稼働率(2025年)』をグラフにしたもの

全体の客室稼働率は61.6%でした。ビジネスホテルは75.3%と高く、毎日入れ替わる部屋の数が多いため、清掃の割り振りとフロントの確認の回数が積み重なります。

旅館は38.2%ですが、1組ごとの食事・送迎・記念日の要望が多くなります。部屋の入れ替えより、食事の人数と問い合わせの手間のほうが大きくなりやすい型です。

ビジネスホテルと旅館で、清掃の割り振り・問い合わせの下書き・食事の人数と発注のどれを最初に選ぶかを比べた表

施設の型と困りごとごとに、最初に選ぶ仕事をまとめます。

施設の型と困りごと 最初に選ぶ仕事 理由
ビジネスホテルで、清掃の確認の電話が多い 清掃の割り振り 部屋の入れ替えが毎日多い
ビジネスホテルで、外国語のメールが多い 問い合わせの下書き 答えが館内の案内にそろっている
旅館で、食事の人数を毎晩手で数えている 食事の人数と発注 予約データから数えられる
旅館で、要望の問い合わせに追われている 問い合わせの下書き 返事の型が決まっている

2つ以上に当てはまるなら、1日の回数が多い仕事を先にします。回数の多い仕事ほど、試作で直した記録がはやく貯まるからです。

ホテルのAI導入を開発会社に頼む前に決めておくこと

開発会社に頼む前に、任せる仕事・確かめる人・予約データの取り出し方・作ったものを直せる権利を決めておくと、見積りを同じ条件で比べられます。ここが決まっていないと、各社が違う範囲で金額を出します。

PMSとは、ホテルの予約・客室・会計をまとめて管理する仕組みのことです。予約サイトの在庫をまとめる「サイトコントローラー」と組み合わせて使う宿が多くあります。

予約データをどこまで取り出せるかは、使っているPMSや予約の仕組みによって違います。取り出せる項目を先に確かめ、足りない所だけを小さな仕組みで補うと、今の仕組みを入れ替えずに始められます。

客室や食事の決まりを書き出さずにAIへ任せるのはNG

起きること: AIの案が「この部屋は点検を先にする」といった宿の決まりに合わず、スタッフが毎回作り直します。
原因: ベテランが覚えている決まりが、AIに渡されていないためです。
避け方: 部屋ごとの条件と清掃・食事の決まりを表に書き出してから試作します。

先に決めておく項目と、決めると何が変わるかをまとめます。

決めておくこと 決めると何が変わるか
任せる仕事と1日の回数 作る範囲と毎月の利用料が読める
下書きを確かめる人 フロントや客室に残る手間が分かる
AIに渡してよい宿泊客の情報 名前や連絡先の扱いが決まる
予約データの取り出し方 つなぎ込みの作業量が分かる
作ったものを直せる権利 別の会社にも手直しを頼める

自動にする仕組みは、進める仕組みと止める仕組みを一組で作ります。私たちが開発した「AIO(SEO)対策エージェント」は、記事づくりの7工程を毎日自動で進め、品質の基準に届かない記事は自動で止めます。宿でも、読み取れない予約は人へ回す止め方を先に決めます。

2022年から2025年まで、私はAI・システム開発会社2社の代表取締役として開発の事業を運営しました。開発会社の側は、契約に書いていないことは作った側に残る前提で契約書を読みます。頼む側は、改修できる権利を契約に書いてもらってください。

AIの利用料の試算はAIエージェントの費用はいくら?、複数社の見積りの並べ方はシステム開発の見積もりの比べ方で説明しています。

配車や荷待ちの受付など、ほかの業種の例は物流のAI導入事例にまとめています。

私は2003年にHP制作会社を創業し、事業の経営を23年続けてきました。少人数の宿では、フロントの1人が電話に取られる時間が、そのままお客様と話せる時間を削っていると感じます。

今日できる一歩は、フロント・客室・調理場で、電話や手での書き写しがいちばん多い仕事の1日の回数を数えることです。回数が分かれば、最初に任せる仕事が1つに絞れます。頼める範囲はシステム開発のサービスにまとめています。

自社で使えるか、相談する →フロントや客室でいちばん手間のかかっている仕事をうかがい、AIやシステムに任せられるところと費用・期間の目安をお伝えします。ご契約を前提としたご案内ではありません。何を頼むか決まっていなくても大丈夫です。

よくある質問

ITの担当者がいない旅館でも、AIを導入できますか?

できます。旅館で決めるのは、任せる仕事と結果を確かめる人です。仕組みづくりと保守は開発会社に任せられます。

開発会社に頼むと、どこまでしてもらえますか?

任せる仕事の選定、台帳の整理、試作、予約の仕組みとのつなぎ込み、使い始めた後の手直しまで頼めます。

今使っている予約の仕組みは、入れ替える必要がありますか?

入れ替えずに始められます。予約データを取り出せる範囲を先に確かめ、足りない所だけを小さな仕組みで補います。

効果はどのくらいで見えてきますか?

試作の間、スタッフが下書きを直した回数を毎日数えると、任せられる仕事が数字で見えてきます。

ホテルでAIの導入が向かないのは、どんな場合ですか?

客室や食事の決まりが担当者の頭の中にしか無い場合です。先に決まりを書き出してから試すと進みます。

まとめ: ホテルのAI導入は「回数の多い1つの仕事」から

ホテルのAI導入事例は、問い合わせと予約・清掃と客室の状態・食事の人数と発注・シフト・申し送りの5つの仕事に集まります。ビジネスホテルは清掃の割り振りから、旅館は食事の人数と問い合わせから始めると効果を確かめやすくなります。

今の予約の仕組みは残し、回数の多い仕事を1つ選んで試作する。この順番なら、営業を止めずにフロントと客室の手間を減らせます。ほかの記事はシステム開発の記事一覧にまとめています。

この記事を引用・紹介するとき

YW(CONFLUX PARTNERS)「ホテルのAI導入事例は?フロント・清掃・食事で任せる5つの仕事」2026年10月17日公開、https://conflux-partners.jp/journal/hotel-ai-case-studies

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